「M7.7の大地震が発生したが、わが国ではどの建物も無事で済んだ。たった一つの例外を除いてだ!」 3月30日、タイのペートンタン・シナワット首相は、彼女が強調した「たった一つの例外」の現場視察を行った後、怒りに満ちた表情で述べた。 ■ 周囲の建物は崩れていないのに 3月28日に、ミャンマー第2の都市マンダレー郊外を震源地とする大地震が発生。4月2日現在、ミャンマー国内で2719人の死者と4500人以上の負傷者を出す大惨事となっている。 この地震で、ともにミャンマーの隣国であるタイと中国との間で、思わぬ「余震」が起こっている。震源地から1000km以上も離れたバンコクで建設中だった33階建てのビルが、わずか5秒で倒壊してしまったからだ。工事現場では11人が死亡し、79人が行方不明となっている。 いまでもユーチューブなどで映像を見られるが、周囲の建物はビクともしておらず、ちょっとありえない倒壊の仕方だ。それが、ペートンタン首相が言う「たった一つの建物」である。 実は、この高層ビルの建築を請け負っていたのが、中国が誇る国有企業の「中鉄十局」(本社・山東省済南市)だった。