警察官をかたる電話による特殊詐欺、トビラシステムズが実際の音声を交えた動画を公開

トビラシステムズ株式会社は4月4日、昨今増加する警察官などをかたる特殊詐欺の手口の実態と対策レポートをウェブサイトで公開した。警察庁によると、同手口が多数を占めるオレオレ詐欺の被害額では、2024年で371.0億円と前年より614.8%増加している。特に30~50代の被害が多いという。 特殊詐欺の中でも電話を用いた「番号スプーフィング」(電話番号のなりすまし、発信者番号の偽装)が多発しており、「警視庁新宿警察署」などの実在する警察署の代表電話番号と完全に一致する番号から着信を受けるケースが相次いでいるという。同社の調査では、2025年3月中旬に「警視庁新宿警察署」の代表電話番号と同一の電話番号からの着信が急増し、多い日で1日あたり約200件が確認された。 そのほかの事例では、末尾が「0110」の国際電話番号を使って警察になりすました詐欺電話の事案が増加や、電話から携帯電話のメッセージアプリに誘導され、事情聴取と称したビデオ通話を求められるなどの手口も多発しているという。 このような事態を受け、同社では、実態調査において入手した実際の警察官をかたる詐欺電話の通話内容を使った手口の解説動画2本を公開した。 前編は全12分ほどで、国際電話からの着信があり、自動音声で「携帯電話がすべて2時間後に停止する」と言われる内容。不明な点があれば1番を押すように言われ、言われるままに1を押すと、オペレーターや警察官を装った詐欺師と通話することになる。 後編は全18分ほどで、前編との内容のつながりはない。複数の偽警官が登場して話が進められてしまう「劇場型詐欺」の、生々しい音声が公開されている。 同社では、警察官などをかたる詐欺に巻き込まれそうになった場合の対策として、次の3つのことを挙げている。このほか、警察庁が、国際電話の着信拒否サービスの活用を推奨していることも紹介している。 ・電話で「お金」や「キャッシュカード」の話が出たら、まず詐欺を疑い、電話を切ること ・警察官はメッセージアプリやSNSで連絡してきたり、警察手帳や逮捕状の画像を送ったりすることはない。このような連絡があっても対応しないこと ・不審に感じたらすぐに電話を切り、家族や信頼できる人、または最寄りの警察署か警察相談専用電話(#9110)に相談すること

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