「音楽のため」? 母校の楽器窃盗の元教諭に懲役1年6月求刑/横浜地裁
2009年10月28日0時0分配信 カナロコ
母校の県立高校から楽器を盗んだなどとして、建造物侵入や窃盗罪などに問われた茅ケ崎市浜須賀、元横浜市立六ツ川中学校教諭小島建司被告(37)の初公判が27日、横浜地裁(佐脇有紀裁判官)であった。小島被告は「間違いありません」と起訴事実を認め、検察官は懲役1年6月を求刑。弁護側は罰金刑を求めて結審した。判決は11月10日に言い渡される。
今年4月19日に茅ケ崎市の県立鶴嶺高校吹奏楽部の部室に侵入し、オーボエなど81点(計約190万円相当)を盗んだとされる小島被告。検察側冒頭陳述などによると、在校当時は吹奏楽部に所属し、犯行時は同部OB会の副代表。六ツ川中学校では、個別支援学級の担任とブラスバンド部顧問を務め、生徒を指導していた。
同被告は「邪魔で困っている」などの相談を受け、鶴嶺高校の部室にOBが放置した楽器を引き取ると約束。それに乗じて、南京錠を切るなどして部室に侵入し、他の楽器も持ち出したという。
被告人質問で動機について問われると「いい付属品があったら持ち帰ろうと思った。金目当てではない」などと、“音楽のための行為”だったと主張。だが検察官は、南京錠を切る道具と代わりの南京錠を、あらかじめ車に積んでくるなどの計画性があったことを指摘した。
逮捕後は、県警の調べに対し、介護タクシー運転手などと職業を偽っていた。
既に、横浜市の教員を懲戒免職になっている同被告。最終陳述で「音楽を愛する人間の一人として、楽器を盗んだことは本当に申し訳ない。社会復帰がかなえば、また障害のある子どもやその家族を支えていきたい」と述べ、深々と頭を下げた。