【AFP=時事】南米エクアドルで13日に行われた大統領選の決選投票で、現職の右派ダニエル・ノボア大統領(37)が勝利した。麻薬カルテルによる暴力のまん延に対する強硬な治安政策が有権者に支持された。 公式結果によると、ノボア氏の得票率は56%で、カリスマ的な左派の対立候補ルイサ・ゴンザレス氏の44%を上回った。 ノボア氏は「歴史的な」勝利を宣言。歓喜する支持者を前に「勝者が誰かは明白だ」と語った。 一方、エクアドル初の女性大統領を目指したものの、予想外の低い得票率にショックを受けたゴンザレス氏は「人々が真実よりもうそを選ぶとは信じられない」と述べ、再集計を要求するとしている。 かつて平和だったエクアドルは、麻薬カルテルが国内の港を通る密売ルートをめぐり縄張り争いを繰り返す中、年初には1時間に1件の殺人が発生する事態に陥っていた。 まん延する流血の惨事は投資家や観光客をおびえさせ、経済の停滞を招き、貧困層は人口の28%にまで膨れ上がった。 ギャング撲滅の「鉄拳」政策に政治的命運を賭けてきたノボア氏は、軍を街頭に配備し、麻薬王を逮捕し、米国に特殊部隊の派遣を要請した。 ノボア氏は再選により、強硬な治安政策をさらに推し進めるとともに、ドナルド・トランプ米大統領との関係を一段と深めるものとみられる。【翻訳編集】 AFPBB News