自己申告書:書き換え強要 県教育長、教諭に謝罪 /島根

自己申告書:書き換え強要 県教育長、教諭に謝罪 /島根
2009年11月28日18時1分配信 毎日新聞

 県西部の県立高校に勤務する50歳代の女性教諭が06年9月、人事資料として本人から県教委に提出する「自己申告書」の書き換えを当時の校長に強要され、人権が侵害されたとして、藤原義光・県教育長が27日、この教諭に謝罪した。教諭と支援グループは校長の謝罪と説明を要求していたが、今年3月にこの校長が定年退職したため、教育長の謝罪となった。この問題では10月に県弁護士会が「人権侵害がある」との判断を示していた。
 この教諭と、教諭を支援するグループ「支える会−学校に人権を」の日高正智世話人によると、教諭は自己申告書の自由記述欄で、教職員の長時間勤務が恒常化していると指摘。県教委に解決に向けての課題検討を求めるとともに、生徒指導について「子どもの権利条約」を順守すべきとの考えを記した。
 これに対し校長は、6カ所に下線を引いて「?」マークを書き込むなどし、3度にわたり書き換えを命じたという。その後、教諭の知人であった日高さんや有志が同会を結成、校長に謝罪させるよう県教委に求めてきた。
 藤原教育長は「退職した校長に謝罪させることができず、発生から3年が経過し今日に至ったのは遺憾。表現の自由を侵すもので人権侵害にあたり、教諭の尊厳を傷つけました」と謝罪した。教諭は「3年も時間がかかったというのは、県教委の人権意識も軽かったのではないか。多くの方に支えられてまずは解決できたが、まだまだ多くの教師が同じく権利を侵されている可能性があり、早急に校長や県教委管理職の人権意識を高めてほしい」と語った。【鈴木健太郎】

11月28日朝刊

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