県立高の柔道事故訴訟:県が上告断念「救済を優先」 /埼玉

県立高の柔道事故訴訟:県が上告断念「救済を優先」 /埼玉
毎日新聞 2009年12月26日 地方版

 柔道部の合宿で意識不明になった越谷総合技術高校の元女子生徒に約1億740万円を支払うよう県に命じた東京高裁判決(17日)について、県は25日、上告を断念した。県教委の幹部が家族に伝えた。

 原告は斉野平いずみさん(23)。判決によると、斉野平さんは02年7月、合宿2日目の練習で投げられて頭を打ち練習を休んだ。最終日に「最後だから参加したら」と言われて教諭と組み、投げられた直後に意識を失った。判決は「医師の診察を受けさせず、練習参加取りやめも指示しなかった結果、軽度の急性硬膜下血腫が重篤化した」などと、県側の過失を認定した。

 斉野平さんは現在も入院中で寝たきりの状態が続いている。

 上田清司知事は「判決を受け入れた。(女性が)気の毒な状態にあり、救済を優先させた」と話している。【岸本悠】

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