入札回避が狙いか、小口の随意契約が続いたケースを包括外部監査人が指摘/神奈川県立保健福祉大学

入札回避が狙いか、小口の随意契約が続いたケースを包括外部監査人が指摘/神奈川県立保健福祉大学
2010年2月9日6時30分配信 カナロコ

 県の包括外部監査人(守屋和徳税理士)は8日、県立保健福祉大学で、入札を回避するために分割して随意契約をしているように思われる業務委託があったと指摘した2009年度の監査結果報告書を、松沢成文知事に提出した。

 報告書によると、同大学で随意契約が続いていたのは図書データの入力など。07年度以降は08年夏まで、1社のみと計10回の随意契約をしていた。中には、契約期間が重複している二つの契約(約96万円と約69万円)もあった。

 年間の契約は、07年度が8件で約481万円、08年度が3件で約349万円(うち最終の1件は入札)。同監査人は「年間の契約額を合計すると、(100万円超の契約で義務づけられている)入札を回避するため、複数回に分割して随意契約をしているように見て取れる」として、「年度当初に、入札により契約をする必要があった」と指摘した。

 同監査人は「大学の図書担当者が、随意契約にできる金額におさえていたと、説明した」と述べたが、大学側は取材に対し、「ある程度、本がたまったところで契約に回した。意図的な入札回避のためではない」と語った。

 同大学ではまた、研究に必要な調査、作業への協力などに対する謝礼として図書カードを渡しているが、同監査人は氏名不詳の配布先が複数あったと指摘。さらに、年度末の3月に、年間の個人研究費の34・7%にあたる額の書籍を購入していた教授がおり、「予算の使い切りと思われる支出」と断じた。

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