小林陣営違法献金:北教組幹部ら4人逮捕 「小林氏、早期辞職を」 /北海道
2010年3月2日10時45分配信 毎日新聞
◇自民、補選へ臨戦態勢 民主の一部にも求める声
民主党の小林千代美衆院議員(41)=道5区=陣営の選挙戦をめぐり、北海道教職員組合(北教組)幹部ら4人が1日、政治資金規正法違反容疑で逮捕された。自民党道連などは「小林氏は政治責任をとって議員を辞職するべきだ」と声をそろえ、民主党道連内にも早期辞職を求める声が一部に漏れる。小林氏が早期辞職した場合、4月の第4日曜日にも道5区補選が行われることになることから、小林氏の動向も今後の焦点になりそうだ。【高山純二、鈴木勝一】
「極めて残念な事態。道民に大変な迷惑をおかけし、心からおわび申し上げる」
民主党道連の佐野法充(のりみち)幹事長は1日午後5時過ぎ、札幌市中央区の道連本部で記者会見を開き、冒頭に謝罪。「地検と逮捕された人の認識に明らかに相違があり、事実関係を把握する必要がある」と慎重な発言を繰り返した。
一方で、小林氏の進退について、佐野幹事長は「どういう対応をするか、関係者と相談しなければならない」と議員辞職を完全否定しなかった。道連内には「『重し』を取り除いた方がいい」(幹部)などと小林氏に辞職を求める声も出ている。
小林氏が今月15日までに辞職した場合、公選法の規定では4月25日に衆院5区補選が行われる。16日以降の辞職の場合、参院選と同日か10月第4日曜日(24日)になる。
自民党道連の竹内英順(ひでのぶ)幹事長は「北教組の幹部や(小林氏の)会計担当者が逮捕された事実は極めて重い。小林氏は即刻議員辞職すべきだ」と主張。さらに、「15日まで議員を続けられないだろう。(補選には)おそらく町村信孝衆院議員も立候補する。こちらは堂々と戦うだけだ」と述べ、4月補選に向け早くも臨戦モードだ。
公明党道本部の佐藤英道幹事長は「政治とカネにまつわる疑惑は深まるばかりだ。民主党は『捜査中』を理由にはぐらかさず、納得のいく説明をしてほしい」と強調。共産党道委員会の青山慶二書記長は「民主党は国民への説明責任を果たしておらず、自浄能力を発揮して真相を解明するべきだ」と指摘した。
また、民主党と連立を組む社民党道連の浅野隆雄幹事長は「あってはならないことであり、極めて残念。社会的、道義的立場からも、積極的に説明を果たすべきだ」と話した。
※ ※
一方、道教委の高橋教一教育長は「道内の教職員が加入する職員団体幹部が逮捕されたことは誠に遺憾で、教育に携わる者として厳しく受け止めている。道民の信頼を損ねることのないよう教育の中立性の確保に全力で取り組む」とのコメントを出した。
……………………………
◇小林陣営を巡る動き◇
【2009年】
8月30日 小林千代美氏が衆院選道5区で自民の町村信孝氏を破り2回目の当選
10月15日 道警が小林陣営の合同選対委員長代行だった山本広和・連合札幌会長(当時)を公選法(運動員買収)違反容疑で逮捕
11月6日 札幌地検が山本容疑者を公選法違反罪で札幌地裁に起訴。連座制の対象として百日裁判を申し立て
【2010年】
1月22日 札幌地検は山本被告の懲役2年を求刑。山本被告は起訴内容を一部否認
2月12日 札幌地裁が山本被告に懲役2年、執行猶予5年の有罪判決
15日 札幌地検が小林陣営に違法な資金を提供したとして、北教組本部を政治資金規正法違反容疑で家宅捜索
18日 自民の義家弘介文部科学部会長らが小林陣営の違法献金について札幌市で聞き取り調査
24日 山本被告が札幌高裁に控訴
3月 1日 札幌地検が北教組幹部ら4人を政治資金規正法違反容疑で逮捕
3月2日朝刊