暴露ウイルス詐欺、失業や懲戒受けた被害者も

暴露ウイルス詐欺、失業や懲戒受けた被害者も
2010年5月26日3時3分配信 読売新聞

 ファイル交換ソフト利用者を狙った暴露ウイルスによる詐欺事件。

 個人情報をインターネット上にさらされた感染者の中には、退職に追い込まれたり、懲戒処分を受けたりと重い社会的制裁を受けた人もいる。専門家は「ウイルス頒布の罪がなければ同じような被害が続出しかねない。法整備が急務だ」と警鐘を鳴らしている。

 都内の30歳代の会社員男性が、友人から「インターネットでお前の名前が出ているぞ」と携帯メールで連絡を受けたのは3月下旬。ネットで調べると、ネットの巨大掲示板「2ちゃんねる」に、自分の名前と、仕事で使っているファイル名が公開されていた。勤務先の会社名も特定され、会社のホームページへのリンクも張られていた。クリックすると、ジャンプしたページには、自分の顔写真が載っていた。

 辞職覚悟で上司に報告したところ、厳重注意を受けた。今も個人情報はネット上に流れ続ける。「正直言って、恐ろしい。罪悪感もないままファイル交換ソフトを使ってしまったが、もうどうしようもない」と悔やむ。

 別の20歳代の男性は、氏名とともに自分がダウンロードしたアダルトゲームのタイトル一覧をネット上に流された。4月中旬には勤務先にも知られ、「会社に迷惑をかけた」として退職に追い込まれた。何度も再就職活動を重ねたが、「ネットに名前が出ている」として内定を取り消されたこともある。男性は「どうしてこんな事になったのか……」とかすれた声で話した。

 西日本の中学校の元校長も感染し、公開された「最近使用したファイル」の一覧には、身元が特定される学校の資料名とともに、膨大なわいせつ画像の名称が並び、ネット上で大騒ぎとなった。

 元校長は4月下旬、生徒の個人情報を含むデータ履歴をネットに流出させたとして、減給10分の1(2か月)の懲戒処分を受けた。元校長は「ネット上で何でも自由に手に入れるうち、感覚がマヒしてしまった」と悔やんでいる。

 警視庁幹部は「ネット上には悪質なウイルスが横行しており、今回の事件は氷山の一角に過ぎない」と話しており、同庁ハイテク犯罪対策総合センターに専従チームを設置し、警戒を強めている。

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