科学研究費:国から57億円、教授ら593人が報告書未提出 会計検査院が改善要求

科学研究費:国から57億円、教授ら593人が報告書未提出 会計検査院が改善要求
毎日新聞 2010年6月22日 東京朝刊

 国から科学研究費の補助を受けながら、義務付けられた報告書の提出を長期間怠っていた大学教授ら研究者が今年1月時点で593人(研究数658件、交付額約57億8000万円)いることが会計検査院の調べで分かった。検査院は不適切だとして21日、補助の手続きを行っている独立行政法人日本学術振興会に、提出の徹底を図るよう改善を求めた。

 検査院によると、国の科学研究費補助事業では研究成果を一般公開するため、大半の助成対象に研究を終えた翌年度の6月に研究成果報告書を提出するよう義務付けている。09年度の新規助成額は、2万2508の研究者や研究グループへの計約823億円に上る。

 ところが、07年度以前に研究を終えた研究者のうち、今年1月時点で報告書を提出していなかった研究者が国公立、私立大など164研究機関に593人いた。このうち99年度中に研究を終えながら未提出の研究者が14人いた。未提出のまま別の研究で新たに助成を受けたケースも09年度で69人72件(交付額約2億8000万円)あった。研究者らは検査院に「多忙で提出を失念していた」などと説明しているという。

 検査院は98年にも当時の文部省に報告書提出を徹底させるよう指摘。振興会は「検査を機に今年から督促を強化している」と話している。【桐野耕一】

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