「期日外」「非公開」に弁護側反発 教諭わいせつ公判

「期日外」「非公開」に弁護側反発 教諭わいせつ公判
2011年02月10日更新 佐賀新聞

 教え子の女子生徒2人にみだらな行為をしたとして児童福祉法違反罪に問われた佐賀県立高校教諭の50代男の公判について、佐賀地検が被害生徒2人の証人尋問を、期日外に非公開で実施するよう佐賀地裁に申請したことが9日、分かった。被害生徒を保護する目的だが、教諭の弁護側は「裁判公開の原則に反している」として反発。佐賀地裁は17日に双方と協議し、尋問方法を決定する。

 この公判で、地裁はすでに被害生徒が特定され得る情報の秘匿を決定。被害生徒の氏名だけでなく、被告の氏名や犯行時期、現場とされる学校名などを複数の情報を伏せて審理が進められる。

 加えて、地検は刑事訴訟法の規定に基づき、被害生徒の証人尋問について、傍聴人がいる「公判」ではなく、期日外に非公開で実施するよう申請。教諭と法廷で顔を合わせないよう別室の被害生徒にビデオ中継で尋問する「ビデオリンク方式」の採用を求めた。

 教諭は「性行為は一切していない」と無罪を主張する方針。直接証拠となる物証を欠く中で、被害生徒2人の証人尋問と、教諭の被告人質問のどちらに信用性があるかが、最大の争点となる。弁護側は被告が国民監視下で適正な裁判を受けることを定めた「裁判公開の原則に反している。到底、承服できない」としている。

 佐賀地検の馬場浩一次席検事は「被害生徒が傍聴人に知り合いがいることを恐れたことから、法律上、取り得る手段として申請した。そういう制度がある以上、裁判公開の原則には反していない」と説明している。初公判は3月3日に開かれる。

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