登校拒否:さぬき・大川第一中生徒、“不適切対応”で 骨折、脱臼と誤判断 /香川
◇柔道での骨折 「校長、教諭許せと迫る」
今年7月にさぬき市内であった柔道大会で市立大川第一中2年の男子生徒が鎖骨骨折し、痛みを訴えたところ、生徒が通う市立中の養護教諭が救護担当だったにもかかわらず、様子を詳しく見ずに「脱臼」と断定していたことが11日、分かった。校長は生徒に教諭の判断ミスを認めたが、教諭を許すよう迫るなどしたため、学校側への不信感を募らせた生徒は今月初めから登校拒否する事態となっている。【馬渕晶子】
中学校が作成した文書などによると、柔道部員だった生徒は7月9日、寒川高校(さぬき市)の武道場であった中学総体柔道の試合中に負傷。激痛を訴える生徒を見た別の部員の祖父が教諭に「鎖骨が浮いている」と異変を指摘したにもかかわらず、教諭は「脱臼」と判断。保護者に迎えに来るよう連絡したが、大会委員長や柔道部顧問の教諭には報告しなかった。
また、生徒が会場から帰る際、荷物を取りに会場2階に連れて行き、持つよう指示。生徒は負傷した右肩を支えていた左手で持たざるを得なかった。
病院で診察を受けた生徒は右鎖骨骨折と診断され、入院。手術を受け、3週間後に退院したが、完治していない。学校側も完全骨折した一因として、「養護教諭の最初の判断ミスが考えられる」と分析している。
ところが、学校側は教諭から当時の状況を詳しく聴いていないのに、9月末に教諭や保護者を交えて話し合った際、校長が「過失の程度が分からない」と主張。その上で、生徒に「許す気持ちも必要」と諭したという。
校長は毎日新聞の取材に、「過失の程度を明らかにしたいのなら、告訴してもらうしかない。生徒には登校してもらえるよう働きかけていく」と話した。
保護者は「教諭から謝罪は受けたが、当時の対応について説明してもらわなければ、納得できない」と話している。
毎日新聞 2011年10月12日 地方版