損害賠償訴訟で県が控訴断念 元講師のわいせつ行為で一審判決確定
2011/11/10 11:57 山陽新聞
県南部の公立中学に勤務していた30代の元男性講師(懲戒免職)が、教え子の男子生徒にわいせつな行為をしたのは給与を支払っていた県にも責任があるとして、生徒の両親が県に約550万円の損害賠償を求めた訴訟で、県教委は10日、県が両親に約365万円を支払うよう命じた岡山地裁の判決を受け入れ、控訴を断念したと発表した。
県は「生徒の将来を考えると裁判の長期化は適切でないと考え、判決を受け入れることにした」としている。生徒側の弁護人によると、原告も9日の期限までに控訴しておらず、同地裁の一審判決が確定した。
同弁護人などによると判決は、元講師が昨年4月、校外学習で訪れた施設内で男子生徒の下腹部を触ったり、同9月に校内のトイレで同様の行為を行ったことに対し、生徒が負った精神的苦痛は大きく、県にも国家賠償法上の責任があるとした。県教委は同11月、元講師を懲戒免職処分にしている。
県教委によると、男性講師は今年4月の校外行事中に男子生徒の下腹部を触った。さらに9月にも放課後にこの男子生徒をトイレに誘い出し下腹部を触った。男子生徒が10月に別の男性教諭に相談して発覚した。
講師はほかにも2回、男子生徒にわいせつ行為をしようとしたが断られた。男子生徒は「怖くて話ができなかった」と話しているという。講師は「若い男性に興味があった。申し訳ないことをした」と話しているという。