医学部教授、出張旅費二重取り 秋田大学付属病院の幹部
2011年11月28日12時3分 朝日新聞
秋田大学医学部の60代の男性教授が、学会などの出張の際、交通費を主催者と大学から二重に受け取り、大学側が調査に乗り出していたことが分かった。就業規則に触れる疑いがあるといい、学内に調査委員会を設けた。関係者によると、これまでの大学側の調査に、教授は「手続きを間違えただけで意図的なものではない」などと回答したという。
この教授は感染症、アレルギーなどが専門で、医学部付属病院の幹部も務めている。関係者によると、教授は、2008年上半期、日本内科学会に数回出席。「生涯教育講演会」の講師などを務め、大阪市、横浜市に出張した。この際、主催者側から交通費など計30万円を出されていたにもかかわらず、大学にも出張費を請求し受け取っていた。
大学職員が出張する時は、事前に所属学部の総務課に申請し、出張後に報告と経費の精算をする。今春、大学に「教授が出張旅費を不正に受け取っている」という情報提供があり、吉村昇学長の指示で調査委員会を立ち上げた。
委員会では、大学のほか、学会の領収書も確認、最近になって本人に説明を求めた。教授は「不正ではない。手続きを間違っただけだ」と意図的な二重取りを否定しているという。
しかし、委員会が、教授の過去の出張記録を調べたところ、08年の内科学会以外にも、出張旅費を二重取りしたとみられるケースが複数あった。このほか、関西や九州に、新幹線など列車を利用し、領収書のない出張を多数重ねており、調査委員会は、この点についても本人から聞き取りを行う予定だ。
同大の熊田亮介副学長は「調査中で具体的なことは話せない。事実関係を確認していく」と話している。