実績重視?指導者に問われる人間的資質 内柴容疑者問題で

実績重視?指導者に問われる人間的資質 内柴容疑者問題で
産経新聞 2011年12月6日(火)19時26分配信

 女子柔道部員への準強姦(ごうかん)の疑いで逮捕された内柴正人容疑者。全日本柔道連盟の上村春樹会長は6日の会見で「事実なら、柔道家というより人としてあってはならない」と断じた。五輪金メダリストによる前代未聞の事件は、実績重視に傾きがちなスポーツ界に対し、競技指導者の人間的な「資質」をどう問うのかという難題を突きつけている。

 競技団体の中で指導者の資格制度を設けているのは、日本体育協会と日本サッカー協会くらい。全柔連も2013年4月から「指導者資格付与制度」を導入。段位と指導年数に応じて指導者のランクをA、B、Cの3段階に分け、ライセンスを交付する。だが、これらは指導者の人格まで問うシステムではなく、柔道の場合は指導に伴う児童、生徒の事故が各地で後を絶たない現状を危ぶんでの措置でしかない。

 来年4月には中学校で武道が必修化され、夏のロンドン五輪では金メダル量産が期待される柔道界。大事な時期にスポーツ界を揺るがし、上村会長は「柔道界がミソをつけてしまったのは申し訳ない」と陳謝した。全柔連は今後、懲罰委員会を設立。事件の推移を見極め、内柴容疑者の指導者登録や講道館の段位認定取り消しを検討する。

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