50代教員対象に研修 県教委、不祥事相次ぎ導入へ 静岡

50代教員対象に研修 県教委、不祥事相次ぎ導入へ 静岡
産経新聞 2011年12月20日(火)7時55分配信

 相次ぐ教員不祥事の根絶を目指して、県と市町の教育委員会の代表者が一堂に会して意見交換する「県・市町教育委員会代表者会」の初会合が19日、県庁で開かれた。会議の中で県教委は、来年度から50歳前後の“超ベテラン”教職員のみを対象にした研修を導入する方針を表明。各市町の代表者からは「先生には危機感がない」などと、厳しい意見が出された。

 50歳前後の教員のみを対象にした研修の実施は、不祥事を起こす教員が40〜50代に集中している傾向を受けたもの。授業や教材の研究ではなく、「教師としてのモチベーションを上げ、情報を共有することが主な目的」(県教委教育政策課)となる。これまではベテラン教員のみを対象とした研修はなく、40代後半以上の教員は全年代向けの研修に希望して参加するだけだった。

 また、会議では、不祥事根絶に向けて、さまざまな意見が出された。

 富士市教育委員長は「企業は不祥事があればつぶれる。企業が持つ競争意識や危機感を教育界にも取り入れてほしい」と発言。浜松市教育委員長は「セクハラは、感覚がマヒしているか最初から勘違いしているかのどちらか。『あなたはおかしい』と周りが指摘しやすい雰囲気をつくり、本人に気づいてもらうしかない」と、職場環境の改善を訴えた。金子容子・県教育委員長は「現代っ子と適正な距離感を保つには、教員が大人にならなければならない」と教員に自覚を求めた。

 県の安倍徹教育長はこの日の議論を受けて「教員独特の世界の中で身についているものがある。教員が自らの至らなさを自覚しながら子供に接すれば、セクハラには結びつかないのでは」と感想を述べた。

 県教委では、代表者会を来年度以降は定期的に開催していく。

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