高校柔道部の試合で障害 教諭の過失認定
2012年03月10日 朝日新聞
■1億3700万円賠償命令
■札幌地裁 教諭の過失認定
柔道部の練習試合で技をかけられて頭を打ち、重い障害が残ったとして、道立芦別高校の元生徒の女性(20)や保護者らが「高校側は安全配慮の義務に反した」として道を相手に計約2億3千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が9日、札幌地裁であった。石橋俊一裁判長は道に計約1億3700万円の支払いを命じた。
判決によると、女性は2008年5月、急性硬膜下血腫などの頭部外傷があると診断された後、部活に復帰した。8月に合宿中、練習試合で大外刈りをかけられて右後頭部を畳に強打。手足がまひし、一人で食事や移動ができなくなった。
判決は、柔道は重い負傷事故の発生確率が高いと指摘。顧問教諭らは、生徒の健康状態や技量などを十分に把握して指導する注意義務を負っているとした上で、「顧問教諭らは女性の頭に外傷があるのを認識していた。頭を打ち付ければ重大な結果が生じるのは予見できた。練習試合に漫然と出場させた過失がある」と判断した。