岸和田・春木中:芝生化、市教委「失敗」認める 住民説明会で批判続出 /大阪
毎日新聞 2012年6月26日(火)12時36分配信
岸和田市立春木中のグラウンド芝生化問題で、市教委は23日、一連の経過について住民を対象にした説明会を春木地区公民館で開いた。市教委が住民への説明会を開くのは初。事業が問題化して約2年たつが、参加者からは解決のために積極的に関与してこなかった市教委を批判する声が相次いだ。
事業は今年3月末に芝生を全面撤去し、元の土のグラウンドに戻されたことで白紙化された。市教委や学校から説明の機会がなかったことから、春木校区町会連合会(井舎英生会長)が開催を要請。PTA関係者ら約90人が参加、市教委からは岸田隆博学校教育部長らが出席した。
芝生化は府の補助金、寄付金など約800万円をかけて実施。撤去には散水装置の取り外しやグラウンド掘削を含め976万円の市費が支出された。「約1700万円がどぶに捨てられたのと同じ」との指摘に、市教委側は「準備段階から不備があった」と述べ「事業は失敗だった。学校を指導しきれなかった責任がある」と明言した。
「施工直後からクラブ活動や授業に支障が出たことを知っていたか」の質問には、「学校長の説明では『大丈夫』とのことで、それ以上踏み込めなかった」と答え、「結果的にクラブ活動などに支障があり、申し訳なかった」と陳謝した。
また、PTA会費が役員の了解なく、グラウンドの土の購入費などに充てられていた問題について、市教委は「各校のPTAの個別の支出内容には立ち入れない」などと述べたが、参加者からは「PTA会費は実質的に学校側が管理しており、学校側を指導するのが市教委の役割ではないか」などの意見が相次いだ。【山田泰正】
6月26日朝刊