大津市 いじめ自殺 7月20日分

大津いじめ担任 韓国語教育に熱心だったが現在生徒に無関心
NEWS ポストセブン 2012年7月20日(金)7時6分配信

 滋賀県大津市で昨年10月、市立中学2年の男子生徒(当時13歳)がいじめを苦に自殺したとされる事件は、自殺生徒の父親が元同級生らを告訴するなど全国的な話題となっている。事件が騒動になって以降、担任教師の男性は表に出なくなっている。7月12日に開かれた保護者説明会にも、出席しなかった。
 
「保護者からは『担任が出てきて説明すべきだ』という声が上がったが、校長は『自分の判断で出席させなかった』の一点張りでした。担任がいじめの様子を見ていながら『そのくらいにしとき』と笑っていたともいわれている。そうしたことが本当だったのかどうかが知りたかったのに、説明会では何も答えていません」(2年生の母親)

 なぜ彼は表で説明しようとしないのか。それは、「彼がしゃべれば、学校がこれまで行なってきたいじめの封印工作がすべてばれてしまうから」(学校関係者)だという。

 それだけではない。学校側が恐れているのは、この担任教師自身に、事件を起こす土壌を作った原因があったことを追及される可能性があるからだ。 この教師は、かねて生徒への「無関心」が問題視されていたという。

「彼が以前いた大学の附属中学では、韓国語の教育に力を入れるなど熱心だったそうですが、この中学に移ってからは次第にそうした熱がなくなり、無難にやり過ごす態度が目立っていたようです」(PTA関係者)

 今回の自殺が起きる直前の昨年夏、この中学校で起きていた“事故”も、担任教師のそうした教育姿勢がもたらしたものではなかったか。同校の生徒の一人が明かす。

「先生が受け持つ柔道の授業で、ある男子生徒が足を怪我したんです。ところが、先生は『大丈夫だ』といって、彼は次の日に行なわれた水泳大会に参加させられた。それで、怪我が悪化してしまったんです。あとでわかったんですが、柔道の授業のときにすでに骨が折れていたようなんです。なのに先生のいうまま、彼は足が真っ赤に腫れた状態のまま水泳大会に出て、終わったあとは全く歩けなくなっていました」

 後に生徒の保護者が、教師にこのことを訴えたところ、そっけない態度で軽く流されてしまったという。この男子生徒は、自殺した生徒のクラスメートだった。

 この教師は、写真週刊誌『フライデー』の直撃取材に、鼻唄で「ふふ〜ふ〜♪」と応じたことがインターネットなどで批判を浴びたことから、それ以降は自宅に帰らず、本誌記者の訪問時も不在が続いている。

※週刊ポスト2012年8月3日号

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自殺の練習、校舎3階窓から身乗り出させる
読売新聞 2012年7月20日(金)8時58分配信

 大津市で昨年10月、市立中学2年の男子生徒(当時13歳)が自殺した問題で、男子生徒と同級だった女子生徒が19日、読売新聞の取材に対し、「『自殺の練習』の場面を昨年9月以降、数回見た」と証言した。

 男子生徒はいじめの加害者とされる同級生3人に指示され、校舎3階の窓から身を乗り出すような格好をさせられていたという。

 「自殺の練習」は、市教委による全校アンケートに16人が記載していた。いずれも伝聞情報で、市教委は、実際にあったかどうか確証が得られなかったと結論づけていたが、具体的状況を示す証言は初めて。

 女子生徒によると、現場は男子生徒が在籍した教室がある3階の廊下。男子生徒は休み時間などに同級生3人に囲まれ、窓を背にして立ち、窓枠を両手で持った状態で、外へ向けて上半身を反り返らせるような姿勢をとらされていた。同級生らは「自殺の練習をしろ」と笑っていたという。

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いじめはご法度…学校や市教委“隠蔽体質”の背景
産経新聞 2012年7月20日(金)10時47分配信

 「万引したって言えやー。言わへんかったら殴るぞ」。大津市の陸上競技場のスタンド席にある通路の鉄柵に、市立中学2年の男子生徒=当時(13)=は鉢巻きで後ろ手に縛り付けられていた。同級生ら3人は執拗(しつよう)に男子生徒に迫った。昨年9月29日の体育祭での出来事だ。

 男子生徒はこらえていたが、殴られ続け、泣きながら「万引しました」と言った。3人のうちの1人は、この様子を携帯電話の動画で撮影し「やった! 撮れた!」とはしゃいだ。男子生徒が自殺したのはその12日後だった。

 ◆衝撃的回答16件

 「自殺の練習をさせられていた」。男子生徒の自殺から9カ月が経過した今年7月、自殺直後に実施した全校生徒アンケートに、衝撃的な回答が16件あったことが判明。市教委はそれまで、「殴られる」などのいじめがあったことは公表していたが、「自殺練習」については「伝聞情報」として公表せず、加害生徒側にも確認していなかった。その上で「自殺といじめの因果関係は確認できなかった」とした。

 学校や市教委の“隠蔽(いんぺい)”には、いくつかの背景があったことがうかがえる。

 いじめに関する著書がある評論家の芹沢俊介氏は「学校は授業が滞りなく行われるのが正常。いじめが確認されると、その対応で正常が崩されることへの恐怖感があり、隠蔽の一因になったのではないか」とみる。「いじめが起きた以上は授業や行事を止めてでも向き合うことが不可欠だ」

 通学区域外の小学校や中学校への進学を認める「学校選択制」の弊害を指摘する声もあがる。大津市でも、隣接区域選択制を導入していた。この制度下では、人気の違いによって、入学者数に差が出る。それは、保護者や地域からの学校評価にも直結する。

 東京都内の元公立中学校長は「どんな学校も、地域に対していい学校に見せたいという思いが強い。特に保護者の関心が高いいじめは“ご法度”。そこに隠蔽体質が生まれやすい」と打ち明ける。

 元中学教員で鳴門(なると)教育大大学院の阪根健二教授は、教員の心理的な問題も指摘する。「いじめがあることが汚点になるという思いがあり、失点を減らしたいという考え方がいじめに向き合う姿勢を後退させているのではないか」

 教育委員会の構造的な問題もある。教育委員は教育の専門家ではない地域住民から選ばれ、月1〜2回の定例会で教育行政を行うが、実際に業務を行うのは教育長を中心とした事務局職員で、多くは教員出身。「委員会は事務局の決定を追認するだけの名誉職」などと形骸化が指摘されてきた。今回のケースも、自殺後の委員会で報告があったにもかかわらず、委員からは質問や意見は一切出なかった。東京学芸大教職大学院の今井文男特任教授は「大事故が起きたときこそ、情報公開や調査のあり方などについて、民間人である教育委員の感覚が教育行政に反映されるべきだった」と指摘する。

 ◆見えない青写真

 男子生徒は、小学校の卒業文集に、印象的だった出来事を運動会と記し、「中学になったら、この経験を生かし、体育祭で発揮したい」とつづった。多くの生徒に目撃され、今回のいじめの象徴的な暴行が、その体育祭で行われていた。あまりに悲しい。

 平野博文文部科学相は17日の会見で「いじめが深刻化する前に全国の教育委員会から早く文科省に報告を上げてもらいたい」と話し、国と教委、学校で情報を共有し、自殺を防ぐ仕組みを検討することを表明した。だが、その仕組みの青写真は、まだ見えない。

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<いじめ>全国の公立小中学校で調査へ 文科省
毎日新聞 2012年7月20日(金)11時31分配信

 大津市で中学2年の男子生徒(当時13歳)が自殺した問題で、平野博文文部科学相は20日の閣議後の記者会見で、全国の公立小中学校を対象にいじめについての調査を実施すると発表した。児童、生徒へのアンケートや個別面談でいじめを把握し、都道府県などの教育委員会を通して8月中に文科省に報告を求める。

 文科省は毎年度末、いじめを含む児童生徒の問題行動についての調査を実施している。10年度は全国の小中高の約4割にあたる1万6335校で計7万7630件のいじめを認知した。しかし、大津市の自殺の報道が相次いだことで文科省のいじめ相談窓口に寄せられる電話の件数が2倍以上に増加。認知されていないいじめがあり、再調査の必要があると判断した。平野文科相は会見で「『いじめはあるんだ』との前提でしっかりつかんでほしい」と注文を付けた。【石丸整】

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夏休みに同級生ら聴取へ 中2いじめ自殺
日本テレビ系(NNN) 2012年7月20日(金)12時21分配信

 いじめを苦に自殺したとされる中学2年の男子生徒が通っていた滋賀・大津市の学校で20日、終業式が行われた。警察は、夏休みを利用し、同級生らから事情を聴くなど本格的な捜査に入る。

 中学校では20日午前9時から終業式が行われ、校長が「不安な思いをさせ、不信感を与えてしまったことをおわびします」と謝罪したという。

 警察はこれまで、校長や市教育委員会の職員から事情を聴いているが、21日からの夏休みに同級生や卒業生らの事情聴取も始める。

 男子生徒の父親は暴行など6つの容疑で加害者とされる同級生3人を刑事告訴していて、警察は、8月中にも立件できるかどうか判断する方針だったが、聴取の対象者が多いことなどから、捜査が長引く可能性もあるとみられている。

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滋賀・大津市いじめ事件 男子生徒の担任教師から事情聴取
フジテレビ系(FNN) 2012年7月20日(金)12時22分配信

滋賀・大津市で、自殺した男子中学生が、いじめを受けていた事件で、警察がこれまでに、担任教師の事情聴取を行っていたことがわかった。同級生らの事情聴取は、21日以降行われる予定。
2011年10月、大津市で飛び降り自殺した当時中学2年の男子生徒(当時13)は、学校が行ったアンケート調査で、複数の生徒から、いじめを受けていたことが明らかになっている。
警察は、同級生による暴行の疑いで捜査していて、これまでに男子生徒の担任から、事情聴取を行っていたことがわかった。
担任は、男子生徒が泣きながらかけてきた電話を受けるなどしていて、警察は、担任がいじめの実態を最も間近で見ていたはずとして、必要であれば、さらに事情を聴くという。
一方、男子生徒の通っていた中学校では、20日、終業式が行われ、校長が全校生徒に「不安な思いにさせ、不信感を与えてしまったことをおわびします」と話した。
警察は、21日からの夏休みに集中して、男子生徒の同級生などから事情聴取する方針。

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<大津いじめ自殺>校長が生徒に混乱を陳謝 終業式で
毎日新聞 2012年7月20日(金)12時58分配信

 大津市立中学2年の男子生徒(当時13歳)が昨年10月に自殺した中学校で20日、1学期の終業式があった。いじめ問題の調査を巡る学校と市教委の不手際が今月発覚して以降、学校への爆破予告や滋賀県警の家宅捜索などで混乱が続き、夏休みは県警の生徒への聞き取りもある。市教委によると、校長は式で、生徒たちに不信感を与えたことを陳謝した。

 式は午前9時からあり、校長は約860人の生徒を前に「報道などで皆さんに不安な思いをさせ、不信感を与えてしまった。申し訳ありません」と陳謝。その後、男子生徒の当時の担任も含め約30人の教諭が前に並び、校長が「生徒のかけがえのない命が失われてしまったことは、悔やんでも悔やみ切れません」などと話したという。

 下校してきた2年の女子生徒(13)は「校長は泣きながら話していたが、ちゃんとした説明もなくきれいごとばかり。とにかく早くいじめ問題を解決してほしい」と話した。また2年の女子生徒(14)は登校時、「先生はいじめについて私たちに『傍観者にならないで』と言うけど、先生が事実を隠しているのでは。相談したら先生は本当に向き合ってくれるのか」といい、学校への不信感をあらわにしていた。

 今回の問題で、中学校には全国から批判の電話などが相次ぎ、9日には終業式を指定した爆破予告もあった。県警は式当日、100人態勢で警戒。午前6時半から約1時間、教室や体育館など校内に不審物がないか調べ、式が終わるまで周辺のパトロールを強化した。

 県警は夏休み中、いじめの実態などを把握するため、捜査員40人態勢で生徒約300人から聞き取りをする方針。市教委幹部は取材に「最初の対応が不十分だったために大きな混乱を招き、大変申し訳なく思っている」と話した。【千葉紀和、加藤明子、前本麻有、村山豪】

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<大津いじめ自殺>大阪府教委、相談窓口カード配布へ
毎日新聞 2012年7月20日(金)13時14分配信

 大津市立中学2年の男子生徒が自殺した問題を受け、大阪府教委は20日の教育委員会議で、いじめの相談窓口を記したカードを府内の全小中高校生に配ることを報告し、了承された。「あなたのことが大事で、守りたい」とのメッセージも添える。

 会議では陰山英男・委員長が「(いじめを行う子どもの)出席停止によって大津のような事例も救えた場面があったかもしれない。府内でも過去の事例を再点検し、必要な条件が整えば、ひるむことなく踏み出してほしい」と述べ、適切に対応するよう各市町村教委に呼び掛けた。

 学校教育法は、いじめや暴力、授業妨害を繰り返す子どもについて、市町村教委が一定期間、出席を禁止できると規定している。

 陰山委員長は大津の事件で教育委員会制度が問題視されているのを受け、「教育委員会制度も含め、府議会、府民の皆さんに考えてもらうのはどうか」と述べ、いじめの対応を第三者機関に委ねる適否を今後検討することを提案した。【林田七恵】

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大津市長の謝罪、遺族側が拒否 中2いじめ自殺
京都新聞 2012年7月20日(金)14時19分配信

 大津市のマンションで昨年10月、中学2年の男子生徒=当時(13)=が飛び降り自殺した問題で、越直美市長の謝罪の申し入れに対し、遺族側が拒否していたことが20日までに、関係者への取材で分かった。
 関係者によると、今月上旬、市側の代理人を通じて遺族側に非公開での謝罪と、市が設置予定の第三者委員会への同意の打診があった。しかし、遺族側は「謝罪の意志が信用できず、真意を測りかねる。第三者委の形も示されていない」といずれも拒否したという。
 第三者委について、遺族は20日までに、市に対し委員の候補者として教育評論家の尾木直樹法政大教授(臨床教育学)らを推薦した。さらに設置への同意の前提として、委員会の調査の目的や内容、公開するかどうか、生徒への聞き取りを誰が行うのかなど10項目について市の考えを明らかにするよう求めている。市からの回答を待って、越市長に面会の申し入れを行い、調査委についてあらためて要望するという。

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大津いじめ 担任に県警が事情聴取 生徒ら300人も
産経新聞 2012年7月20日(金)15時8分配信

 大津市で昨年10月、市立中学2年の男子生徒=当時(13)=が自殺した問題で、滋賀県警による生徒らへの事情聴取について、盆前後(10日程度)を除く約1カ月間に集中させることが20日、捜査関係者への取材でわかった。聴取は夏休み初日の21日にも開始するが、帰省や旅行期間を避ける。一方、県警が男子生徒の担任教諭からいじめに関して聴取していたことが判明。8月末までに生徒への聴取を終え、立件の可否を判断する。

 聴取場所は、保護者同席で実施するため、捜査員を自宅にも派遣。聴取の日時などは、県警が保護者と相談して決め、自宅以外にも捜査員を派遣するとしている。対象は自殺した男子生徒と同学年だった在校生ら約300人で、暴行があったとされる元同級生3人は最後に聴取する方針で、いじめについて時系列の流れなどを確認する。

 県警は今月11日夜、昨年9月29日の中学校体育祭で、当時13〜14歳だった同級生3人が男子生徒の両手をはちまきで縛り、口に粘着テープを貼ったとして、暴行容疑で学校と市教委を捜索。

 男子生徒の父親(47)は今月18日、暴行のほか恐喝や窃盗、強要など6つの罪で県警に告訴、受理されている。

 県警は、専従捜査班を25人から40人に増員し、すでに学校関係者や市教委幹部から事情を聴いている。聴取内容を精査し、捜索で押収した教員の日記やノート、市教委から提出を受けた生徒アンケート、父親が提供した男子生徒の行動を記したメモなど、膨大な資料の裏付けを行う。

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自殺の中2生徒、親類の店から数十万円持ち出し
読売新聞 2012年7月20日(金)15時55分配信

 大津市で昨年10月、市立中学2年の男子生徒(当時13歳)が自殺した問題で、男子生徒が昨年の夏休み中に自分の貯金口座から約12万円を引き出していたことが関係者への取材でわかった。

 親類の店からも現金数十万円を持ち出していたという。市教委が実施した全校アンケートでは、いじめの加害者とされる同級生らから恐喝されたとの回答があり、滋賀県警は金の使途などを慎重に調べている。

 関係者によると、男子生徒は昨年7〜8月、数回にわたって貯金口座から金を下ろしていた。このうち7月下旬には一度に7万円を引き出したという。9月中旬、ふだんは持っていないキャッシュカードを手にしているところを家族に見つかり、「ゲームソフトや漫画本、卓球部で使うラケットなどを買うのに使った」と説明したという。

 親類の店は複数あり、昨年の同じ頃、男子生徒が店内から数回、現金を持ち去り、計数十万円がなくなっているのを親類らが確認している。

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ついに飛び出した「自殺の練習見た」証言 加害者が強要罪などに問われる可能性
J-CASTニュース 2012年7月20日(金)18時42分配信

 滋賀県大津市の市立中学2年の男子生徒が自殺した問題で、「自殺の練習の場面を見た」という目撃証言が飛び出した。

 これまで大津市教育委員会は「自殺の練習」について「伝聞情報のため確認できない」などと言ってきたが、事実だとすると、極めて重大な証言で、学校や市教委の嘘と怠慢ぶりが改めてさらけ出されることになる。

■「窓から外に向けて上半身を反り返らせるような姿勢」

 2012年7月20日付の読売新聞に、自殺した男子生徒と同級だったという女子生徒の証言が掲載されている。

 女子生徒は読売新聞の取材に対し、「『自殺の練習』の場面を2011年9月以降、数回見た」と話した。男子生徒が在籍した教室がある3階の廊下で、休み時間などに同級生3人に囲まれ、窓から外へ向けて上半身を反り返らせるような姿勢を取らされていた。

 同級生らは「自殺の練習をしろ」と笑っていたという。女子生徒は「いじめを見逃した学校が信じられない」とアンケートには回答しなかったようだ。記事によると、男子生徒の父親は自殺の練習が強要容疑にあたるとして7月18日に刑事告訴した内容に盛り込んでいるという。

 大津市教委はこれまで、学校が実施したいじめについてのアンケートに書かれた「自殺の練習」は全て伝聞情報で、具体的な方法などについては書かれておらず、事実という確証は得られないとの弁明をしている。今回読売新聞に掲載されたのは初の有力な証言といえる。

 男子生徒が通っていた中学校では、7月6日に校内放送で校長が泣きながら「自殺の練習は隠していたのではなく、もともと嘘だ」と言ったと生徒が証言していた。しかし記事の内容が事実であれば、校長の「もともと嘘だ」という言葉が嘘だったということになる。

■本気で自殺させようとしていないと自殺教唆にならない

 証言が事実であれば、加害生徒らが自殺教唆などの重罪に問われる可能性はあるだろうか。元東京地検検事の落合洋司弁護士に話を聞いた。

 自殺教唆罪に問われるか否かについては、加害生徒らが「どこまで本気でやっていたか」が争点になるという。「自殺の練習」といっても、明確な殺意を持ってやっていた、本気で自殺させようとしていたという場合でなければ、直ちに自殺教唆罪にあたるとは言えないとのことだ。

 その上で、被害生徒に無理矢理「自殺の練習」をさせていた場合、暴行罪(2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料)、脅迫罪(2年以下の懲役または30万円以下の罰金)、強要罪(3年以下の懲役)に問われる可能性はあるという。数人が共同して暴行、脅迫を行ったと認められれば、暴力行為等処罰に関する法律違反・共同暴行罪に問われ、3年以下の懲役または30万円以下の罰金と少し重い刑罰にもなる。

 また、執拗ないじめと自殺の因果関係が刑事的に認められるのはかなりハードルが高いだろうとした上で、認められれば、加害生徒が遊びでやっていたと主張しても生徒を自殺まで追い込んだのは事実なので重過失致死罪に。見て見ぬふりをしていた教員は業務上過失致死罪(5年以下の懲役もしくは禁固または100万円以下の罰金)に問われることもありえるという。ただし加害生徒が当時14歳未満であれば責任能力がないと見なされ、これらの罰は科せられない。

 民事訴訟ではこの証言をした生徒の陳述書、上申書など、ちゃんと証拠になるものが出せれば、原告に有利に働くだろうということだ。

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民主・前原氏「学校の隠蔽体質に怒り」
時事通信 2012年7月20日(金)19時32分配信

 民主党の前原誠司政調会長は20日、インターネット番組で、いじめを受けていた大津市の中学生が自殺した問題について「学校の隠蔽(いんぺい)体質、教師、教育委員会の事なかれ主義に怒りを覚える」と述べ、学校や教育委員会の対応を批判した。
 いじめ対策に関し、前原氏は「学校の運営に地域の方々も交え、総会屋対策とか、ビジネスの世界で問題処理してきた人にも入ってもらう。いじめの実態を客観的に見る(べきだ)」と語った。 

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<大津いじめ自殺>男子生徒と同級生 窓から落ちるふり
毎日新聞 2012年7月20日(金)21時40分配信

 大津市で市立中学2年の男子生徒が自殺した問題で、男子生徒といじめに関わったとされる同級生が校舎3階の窓から落ちるふりをしているのを、女子生徒が毎日新聞の取材に「複数回、目撃した」と証言した。

 女子生徒によると、昨年9月ごろ、同級生の一人が校舎3階の廊下の窓枠に腰掛け、窓枠と壁を持って、背中から倒れ込むような仕草をした。男子生徒に同様のことをするよう求め、男子生徒もしていた。こうした行為は休み時間に、約1週間続いたという。

 女子生徒は学校のアンケートには回答していなかった。「落ちるふりをして危ない行為だった。アンケートに記載しても、先生が対応してくれないと思った」などと話した。

 学校が実施したアンケートには、複数の生徒が「男子生徒が自殺の練習をさせられていた」と回答していたが、市教委は公表していなかった。ただ、いずれも伝聞としての回答で、市教委は「事実かどうか確認できない」としている。【石川勝義】

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「いじめ対策支援を」 市町教育長、滋賀県教委に要望
京都新聞 2012年7月20日(金)22時39分配信

 滋賀県教委は20日、大津市の中学生自殺問題を受け、県庁で市町教育長会議と高校等校長会議を開いた。いじめ対策の再点検や、危機管理を想定した組織整備などを求めた。
 県内19市町の教育長がそろう定期的な場はなく、異例の緊急会合となった。県教委は、各市町にいじめ対策の再点検を要請。県防災危機管理局の担当者が「重大事案は、いかに早く正確な情報がトップに伝わるかが重要」と、危機管理体制の構築を訴えた。
 出席者からは、生徒指導など増員のための支援を求める声や、一連の問題による教育委員会制度への批判について「首長と教委が連携すれば良く、感覚で不要論を言うのは不見識」との意見も出た。
 大津市教委の澤村憲次教育長は、子どもらに不安を与えている点を謝罪。いじめとの関連の調査を学校側に任せたことについて「市教委主体で調査すべきだった。判断の誤りだったと反省している」と述べた。
 高校等校長会議には、私立を含む高校と県立特別支援学校長の計約70人が出席した。
 また県教委はこの日の定例会見で、11日に設置した二つの緊急対策会議を、8月以降も継続すると表明した。県教委や担当部局の職員で作る「緊急対策チーム会議」は、知事部局中心の「対策本部」に格上げ。各市町教委らが入る「緊急対策会議」は、そのまま維持する。

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夏休み2回、教師と会話 大津中2自殺で生徒ケア
京都新聞 2012年7月20日(金)22時59分配信

 大津市で昨年10月、中学2年の男子生徒が自殺した問題で、亡くなった生徒が通っていた中学校は、1、2年生(581人)を対象に、夏休み中に必ず2回学校に登校し、担任ら教師と会話を交わす取り組みを始める。教師と生徒のコミュニケーションの機会をつくる新たな工夫の一つで、生徒の悩みを聞く態勢を強化する。
 市教育委員会によると、昨年の夏休みを境に亡くなった生徒へのいじめが始まったとみられることから、人間関係が変わりやすい長期休暇中の生徒の変化を察知するために実施する。生徒は「夏休みのしおり」を持参し、担任や同じ学年の教師と話をしてチェックをもらう仕組み。3年生は受験などを考慮し、対象外とした。
 また、生徒が滋賀県警の事情聴取を控えていることから、夏休み中、土・日曜を除く毎日、県教委のスクールカウンセラー1人を常駐させる。事情聴取が始まり、複数の生徒の相談が必要となる場合は、市教委のスクールカウンセラーを補充、最大3人態勢で心のケアに当たるという。また教師が各地域の夏祭りなどにも積極的に出向き、生徒と触れあう。
 市教委の取り組みを受け、県教委は夏休みまでとしていた中学校へのスクールカウンセラー2人の派遣を夏休み終了まで延長。職員も市教委と中学校に1人ずつ送り、情報提供や支援を行う。

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第三者委人選、大津市と遺族調整難航 中2いじめ自殺
京都新聞 2012年7月20日(金)23時29分配信

 大津市で昨年10月、中学2年の男子生徒=当時(13)=が自殺し、いじめとの関連が指摘されている問題で、再調査のために市が設置する第三者委員会をめぐり、市側と遺族側の意見調整が手間取っている。すでに遺族側が2人の委員の候補を市に推薦し、遺族と越直美市長はともに面会の意志はあるものの、具体的な日程の見通しは立っていない。第三者委で市が遺族側の要望をどこまで受け入れるのか、越市長の判断に注目が集まる。
 文部科学省などによると、第三者委は札幌市と鹿児島県出水市の中学校であった自殺に対し、設置された例があるという。調査期間は3カ月から2年と事案によって差はあるが、大津市は年内に結論を出す方針で、4カ月程度の期間を見込む。
 第三者委をめぐっては、越市長が7月上旬、代理人を通じて遺族側に設置の同意を打診。遺族側は「目的が明確ではなく、公平性が保たれる保障はない」として、生徒への聞き取り方法や、委員の人選、委員会の公開、資料の公表など10項目について姿勢を明らかにするよう、18日に市へ申し入れた。
 代理人によると遺族側は、教育評論家で法政大の尾木直樹教授(臨床教育学)と、いじめ問題に詳しい和歌山大の松浦善満教授(臨床教育社会学)を推薦。今後、弁護士も加える予定という。
 第三者委の事務局となる市コンプライアンス推進室によると、越市長は両教授を候補にする方針だが、起用するかどうかは実際に遺族と面会してから判断するという。人選以外の方法も遺族の要望に沿う方針だが、個人情報を扱うため、会議は非公開を想定しているという。同じ理由で資料の公表も不明とし、同室は「会議や資料の公開の是非は委員が決める形になるかもしれない」と話す。
 遺族側は、第三者委の内容について越市長に直接会って要望したい意向で、越市長も応じる方針を示していた。ただ、関係者によると、越市長が代理人を通じて持ちかけた謝罪については、市教委への不信感を持つ遺族が「真意を測りかねる」として拒否したという。

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「市教委と意思疎通を」 奥村副大臣、大津市長と面談
京都新聞 2012年7月20日(金)23時39分配信

 文部科学省の奥村展三副大臣が20日、大津市役所を訪れ、越直美市長や澤村憲次教育長らと面談し、今回の問題の経過報告や今後の取り組みなどを聞き取った。
 奥村副大臣は越市長と澤村教育長から、今回の調査で不十分だった点などを確認し、「行政と市教委でコミュニケーションをしっかりはかる必要がある」と強調。第三者委員会で事実を明らかになることを期待し、文科省としても継続して支援する方針を伝えた。
 越市長が疑問を投げかけている教育委員会制度については、「すぐ改革して方向を変えるのは困難。運用的に市長と教委の意思疎通は可能だ」と述べた。
 面談の場には、教育委員長職務代理者の竹内孝子氏(64)も同席し、「教育委員として何ができたのか、遅いがあらためて検証して、再発防止に取り組みたい」などと語った。

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