大津市 教育長襲撃事件 その2

「恐怖感じる間なかった」襲撃男取り押さえた大津市職員 大津襲撃事件
産経新聞 2012年8月16日(木)3時35分配信

 「恐怖を感じる間もなかった」−。大津市の教育長襲撃事件で、逮捕された私立大の男子学生(19)を取り押さえた市教委の男性職員2人は15日、当時の状況をこう語った。澤村教育長は血まみれの状態で男子学生と組み合い、3人がかりでようやく取り押さえたという。

 証言によると、澤村教育長は午前7時50分ごろ、教育長室に出勤。ほぼ同時に男子学生が自然な様子で部屋に入り、直後に叫び声が聞こえた。教育長室の近くにいた市教委教育総務課主事(28)がすぐに部屋に入ると、澤村教育長は顔から血を流し、男子学生と組み合っていた。

 男子学生は、両端に木片がついた針金を所持しており、澤村教育長が両手で針金の取っ手部分を必死に押さえている様子も目撃。主事は「教育長の首を絞めようとしているように見えた」という。

 「助けて! だれか来て」と主事が大声を出すと、騒ぎを聞きつけて入室した学校教育課副参事(52)が、凶器の針金を取り上げ、澤村教育長が馬乗りになり、主事が左手を押さえて男子学生を床に組み伏せた。

 男子学生は、水色のストライプのシャツに黒のスラックス姿。もう一つの凶器とみられるハンマーや、かばんなどは見当たらなかったという。

 教育長室のある市役所別館2階には、市教委事務局があり、出入りは自由だった。主事は「あまりに自然に入ってきたので、不審には思わなかった」。副参事も「とにかく必死だった。今後、狙われるのは教育長だけとは限らないと感じており、大変ショックを受けている」と深刻な表情を浮かべた。

 市教委の松田哲男教育部長は「職員の間にも、何があるか分からないという危機感はあった。とても動揺しているが、事件は卑劣で許せない」と憤りをあらわにした。

 市教委によると、今年7月にいじめ問題が発覚して以降、電話やメール、ファクスなどによる抗議は約1万5200件に上っているという。

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<大津市教育長襲撃>事件後、苦情電話やメール急増
毎日新聞 2012年8月16日(木)13時17分配信

 いじめを受けた大津市立中学2年の男子生徒が自殺した問題を巡り、対応に当たっていた大津市の沢村憲次教育長(65)がハンマーで殴られ負傷した事件の直後、市教委に寄せられた苦情電話やメールの件数が、事件前の約18倍の273件に急増したことが16日分かった。多くは襲撃を「当然だ」とする内容だった。

 市教委によると、7月4日に「自殺の練習」など学校が実施したアンケート内容が明らかになって以降、いじめへの対応などを批判する電話やメールが計約1万5865件寄せられた。

 襲撃の前日までは1日平均15、16件だったが、襲撃があった15日は273件に上った。この中には「謝れ、謝れ、謝れ」と連呼するものや、「(いじめがじゃれ合いなら)襲撃もじゃれ合いだろう」と擁護するものもあったという。

 松田哲男教育部長は「なぜここまでやるのか。誤った情報に基づく批判も多く、冷静に行動してほしい」と話している。大津市は16日から、ガードマンを市教委と市長室前などに3人増員し、常駐を始めた。

 ◇男子学生を送検

 一方、滋賀県警大津署は16日午後、逮捕されたさいたま市在住の私立大の男子学生(19)を殺人未遂容疑で大津地検に送検した。【千葉紀和、村山豪】

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大津市教育長、頭を一部骨折 全治2〜3週間
京都新聞 2012年8月16日(木)22時59分配信

 大津市役所内の教育長室で15日朝、侵入した大学生(19)に襲われた澤村憲次教育長(65)が、頭の骨の一部を折るけがを負っていたことが16日、市教育委員会への取材で分かった。
 市教委によると、金づちで殴られた澤村教育長は、右まぶたを切るけがだけでなく、頭がい底骨折も負っていた。治るまでに2〜3週間かかるといい、現在は入院中。

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