逆転無罪で免職教諭の処分取り消し 全国的に異例のケース 埼玉県教委

逆転無罪で免職教諭の処分取り消し 全国的に異例のケース 埼玉県教委
産経新聞 2012年8月23日(木)20時8分配信

 埼玉県教育委員会は23日、酒気帯び運転をしたとして有罪判決を受け、懲戒免職処分にした公立中学校の男性教諭(51)について、東京高裁で逆転無罪判決が確定したため、懲戒処分を取り消すと発表した。文部科学省によると、逆転判決による懲戒処分の取り消しは全国的に異例という。

 県教委によると、男性教諭は昨年11月、滑川町の駐車場で酒気を帯びて車を運転したとして道交法違反(酒気帯び運転)の現行犯で逮捕された。さいたま地裁で懲役5月執行猶予3年の有罪判決を受けたため、県教委は今年1月12日付で男性教諭を懲戒免職処分にした。しかし、5月に2審東京高裁で無罪判決が言い渡され、東京高検が上告せず無罪が確定していた。

 男性教諭は当初から「アルコールが残っていると思わなかった」と主張、処分について県人事委員会に不服を申し立てていた。東京高裁は「飲酒後15時間が経過しており、故意ではない」として男性教諭の主張を全面的に認めたという。

 県教委は23日付で男性教諭を復職としたが、本人が退職届を出した。県教委は「裁判の経緯から無罪にはならないと判断した。処分は妥当だった」と説明している。 

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