職員組合「山形大が違法雇用契約」 研究員の訴え受け発表

職員組合「山形大が違法雇用契約」 研究員の訴え受け発表
河北新報 2021/10/1(金) 6:00配信

 山形大職員組合は30日、同大有機エレクトロニクス研究センター(米沢市)に勤務する男性研究員と大学側が雇用契約を結ぶ際、雇用条件の変更を知らせないまま強制的に署名させるなどの違法な対応があったと発表した。賃金が、従事した研究とは異なるプロジェクトの資金から流用されていたとも主張した。

 精神的苦痛を受けたなどとして、研究員は担当教授らに慰謝料と謝罪などを求める民事訴訟を年内にも山形地裁に起こす方針。

■パワハラ被害の主張も

 山形県庁で同日、記者会見を開いて明らかにした。組合によると、非常勤研究員の斎藤健次郎さん(64)が2019年5月、複数年にわたるプロジェクトの職員として有期雇用の契約書を交わした。科学技術振興機構(JST)が出資するプロジェクトに従事する内容だったが、実際は国土交通省が所管する研究に従事させられた。その上、計数百万円の賃金はさらに異なるプロジェクトの資金から拠出されていた。

 組合は、20年2月の契約更新時にセンターの担当教授が書面の一部しか見せない状態で契約内容への合意を迫り、「来期(の契約更新)はない」と威圧的な発言でサインさせたと主張。その後も斎藤さんは日常的に言葉によるパワーハラスメントを受け、20年に医師から適応障害と診断されたという。

 労働契約法では、労働者と使用者が、対等の立場で自主的な合意の下に雇用契約を結ぶよう定めている。記者会見に同席した斎藤さんは「雇用のためにサインの強要に応じるしかなかった。雇い止めの不安を抱えながら働くのは限界だ」と訴えた。

 組合側は、税金を基に国立大へ配分される研究資金が、本来のプロジェクトとは異なるプロジェクトへ利用されていた点が、研究費の不正使用に当たると指摘している。

 組合は昨年、大学へ公益通報していたが、学内に設けられた調査委員会の聞き取りが進んでいないとして、公表に踏み切った。既にJSTなど外部機関への公益通報も済ませているという。会見で組合不当労働行為対策担当の仁科辰夫氏は「大学の調査があまりにもずさんだ。早期に事実を明らかにしてほしい」と述べた。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする