京都・小学校プール事故:市教委が検証へ 緊急校長会議開催、要因は複数か /京都
毎日新聞 2012年8月25日(土)15時35分配信
京都市左京区の市立養徳小学校のプールで7月、同小1年の女児(6)が課外指導の水泳中に死亡した事故で、市教委は24日、緊急の校長会議を開催。事故原因について、水面に大型ビート板が並べられていたことなど複数の要因が重なった可能性があるとして検証を進めることを明らかにし、市立小中学校の校長ら400人に再発防止を指示した。【林哲平】
市教委が各学校に出した通知(1969年)では、水泳指導時の監視員は2、3人置き、一隅からの監視と巡回監視に分かれて当たることの徹底を求めている。しかし、市教委の山本雅之・子ども安全統括官によると、当日監視の教員が3人いたものの、自由遊泳時は2人がプール内におり、プールサイドから見ていたのは1人だけだったという。
また、同統括官は、7月30日午後1時45分からの自由遊泳の際、縦25メートル、横12メートルのプールの水面に、大(縦2メートル、横1メートル)4枚▽中(縦2メートル、横0・5メートル)2枚▽円形10枚−の計16枚の大型ビート板が水遊び用に浮かべられていた、と説明した。市教委はこれらのビート板が女児が浮き上がる時に邪魔になった可能性があり、「枚数や使用方法に問題がなかったか調べたい」としている。
市教委は水位が通常より10センチ高くなっていたことと合わせて、三つの要因が重なって事故が起きた可能性もあるとみて検証を進める。今後、水位などについては具体的な指針を定め、各学校に通知する方針。
会議で生田義久教育長は「教育活動で尊い命が失われたことは痛恨の極み。災害や交通事故なども含め、子どもたちの危機が漫然と見逃されていないか、根拠のない安心感は捨てて見直してほしい」と呼びかけた。
8月25日朝刊