公立中にカウンセラー配置へ、いじめ対策で文科省が概算予算に計上/神奈川
カナロコ 2012年10月1日(月)6時0分配信
全国の学校で深刻ないじめが表面化するなか、文部科学省は2013年度予算の概算要求で、いじめ対策関連事業として73億円(前年度比27億円増)を計上し、早期発見・早期対応策としてスクールカウンセラー(SC)の全公立中学校への配置を盛り込んだ。しかし、すでに全公立中に配置がある県内の学校現場や教育委員会からは、SCの有用性を認める一方で「それだけでは、いじめ解決に結びつかない」との指摘も出ている。
県教委などによると、神奈川では2005年度までに全公立中にSCを配置しており、週1回程度、各校を訪問している。小学校も定期的に巡回。「子どもを見守る大人の目が増える」(藤沢市教委)など、現場からは有効性を認める声が多い。
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一方、「SCの配置だけに頼ってはいけない」という指摘もある。県教委によると、SCへの相談で最も多かったのは長期欠席(25・9%)。次いで家族関係や自分自身について(11・4%)。いじめに関しては1・1%だった。
12年度の問題行動調査(県内公立校)では、SCなど相談員がいじめを発見したケースは0・3%。最も多かった学級担任は31・8%。横浜市教委は「SCと連携して専門的な側面支援を受けるためにはまず、教員が着実にいじめを見つけるべきだ」と強調する。
ある県内自治体の市教委は「児童生徒一人一人に十分な目を配る余裕が学校にない。いじめ対策として国が予算を付けるなら、教員を増やすことも検討してほしい」と求めた。
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県内では新たな動きも出ている。自治体独自で教員を増やし、いじめの早期発見などに手厚く対応しようというものだ。横浜市教委は、市立小で担任を持たずいじめ問題などの対応に専念する専任教諭の配置を進めている。11年度には、配置した学校140校と、しない学校205校では、いじめの認知件数で2・5倍となるなど成果を挙げた。担当者は「問題の根本的な解決には、教員と児童生徒がじっくり向き合うことが一番大切」と語る。
教育問題に詳しい東海大学文学部の近藤卓教授(臨床心理学)は「SCを置けば解決というわけではない。教員数もSCの配置時間も限られているなか、教員はSCの視点や考え方を身に付けて実践するなど、最大限活用してほしい」と話している。