<いじめ>重大なケース250件報告…今年4月以降
毎日新聞 2012年10月1日(月)21時28分配信
文部科学省が全国の小中高校を対象に実施している「いじめ緊急調査」で、今年4月以降の半年間に「子供の生命や身体を脅かす恐れのある重大ないじめ」が約250件報告されていることが分かった。1日退任した平野博文前文科相が記者会見で明らかにした。文科省が「重大ないじめ」とケースを分けて調べるのは今回が初めて。また、この半年間に認知したいじめは約7万5000件に上り、既に昨年度1年間の認知件数約7万件を大幅に上回っている。
同省は現在、この約250件について、省内に設けた「子ども安全対策支援室」で、学校や教委の対応状況を確認し、省として支援の必要があるかどうかを調査している。
緊急調査は大津市立中学2年の男子生徒が自殺した問題を受けて実施。全国の国公私立の小中高校・特別支援学校を対象に、都道府県と政令市計67の教委が調べている。今年4月から調査時点までの認知件数で、現在の回答は55教委。回答がすべて集まり次第、10月中にも結果を公表する予定。
文科省によると「重大ないじめ」には、けがをさせられたり、金銭を要求されたりするなどのケースが含まれているという。
文科省は、国公私立の小中高・特別支援学校を対象に毎年実施している「問題行動調査」でいじめの認知件数を調べており、11年度は7万231件のいじめがあったと報告されていた。今回の調査では、警察との連携状況などの取り組み状況も聞いている。
いじめや不登校など学校が抱える問題に詳しい兵庫県立大の竹内和雄准教授(生徒指導論)は「250件という数を重く受け止め、子供たち自身がいじめを解決していく手立てを周囲の大人たちみんなが考えていく時期だ」と指摘している。【石丸整】