<都立高>173校で入試 ミス防止20校マークシート導入
毎日新聞 2015年2月24日 11時3分配信
東京都立高校の一般入試が24日あり、全日制では173校で約4万7000人が試験に臨んだ。昨年、採点ミスが相次いで発覚し、都教育委員会が公立高としては全国で初めて、一部の問題でマークシート方式を導入することを決め、今年はモデル校の20校で試験的にスタートさせた。全国の公立高で、ミスの件数がワーストワンの都立高。信頼回復に向け、各校は採点作業の予行演習を重ね、入試本番に臨んだ。合格発表は3月2日。
「何回か速く黒く塗る練習をしました」。モデル校の一つ、小山台高校(品川区)を受験する女子生徒(15)は落ち着いた様子で語った。受験生の長女(15)を見送りに来た母親(42)は「今年はミスがないように二重三重の点検をすると聞いている。それを信じるしかない」と話した。
マークシートが導入されたのは、記号選択式の問題。モデル校も他の高校も問題の内容は同じだが、20校では専用の解答用紙が使われ、機械で用紙を読み取ると自動的に採点。記述式の問題についても、パソコンの画面上に受験生が書いた解答が画像として表示される。教員は画面上で正解・不正解を入力し、記述式と選択式の点数の合計が算出される仕組みになっている。
同校では昨年12月以降、4回にわたって教員全体で作業を練習。手作業で「○」を付けていたこれまでと違い、画面上の作業に戸惑う姿もあったが、回数を重ねるごとに習熟していった。都教委には「画面上の文字が見にくい」と報告し、ソフトも改善されたという。
同校でも過去2年で6件の採点ミスが判明。大田原弘幸校長は「都教委と連携を図って改善した。採点は間違いなく行われると信じている」と語った。
都教委はモデル校での実施状況を検証したうえで、2016年2月の入試から全面的にマークシートを導入する方針。今回導入していない学校では、解答用紙を1部コピーし、原本とコピーを別々の教員がそれぞれ採点し、食い違いがないか照合するなどしてミスの防止を図る。【武本光政】
◇3年間で3052件のミス判明
都立高入試の採点ミスは昨年4月以降に相次いで発覚し、都教委の調査の結果、12〜14年の3年間に実施された入試で、3052件のミスがあったことが判明。本来は合格だったのに不合格とされた受験生(追加合格者)が計22人いたことも明らかになった。都教委は昨年9月、教育長や追加合格者を出した高校の校長ら計14人を懲戒処分とした。
こうした事態を受け、文部科学省は同月末、都道府県教委に採点ミスの防止策を強化するよう通知を出した。文科省の調査によると、過去3年間に全国の公立高入試で採点ミスがあったのは、9都府県で計3744件。最多の東京都に次いで、岡山県の391件、大阪府の148件が続いた。追加合格者は東京を含め計37人だった。
◇都立高入試採点ミスに関する主な再発防止策
【教員が採点・点検に専念できる環境確保】
・入試日から合格発表までを中3日から中4日に
・入試翌日と翌々日には生徒を登校させない
・採点作業50分ごとに10分間の休憩を設ける
【マークシート方式の導入】
・記号選択式問題で導入
・2015年に20校で試験的に実施。16年に全面導入