阪大院教授、収賄認める「間違いありません」 耐震研究汚職の初公判

阪大院教授、収賄認める「間違いありません」 耐震研究汚職の初公判
産経新聞 2017/2/23(木) 15:04配信

 耐震技術に関する共同研究で便宜を図った見返りにゼネコンから現金を受け取ったなどとして、収賄と背任の罪に問われた大阪大大学院工学研究科教授、倉本洋(ひろし)被告(57)の初公判が23日、大阪地裁(矢野直邦裁判官)で開かれ、倉本被告は「間違いありません」と起訴内容を認めた。

 初公判で検察側は、倉本被告がゼネコン側に「大学の口座に振り込むと、事務経費を引かれて減ってしまう」と働きかけ、学外の口座に金を振り込ませていた経緯を明かした。

 起訴状によると、倉本被告は平成24〜28年、大学の承認を得ずに、中堅ゼネコンの東亜建設工業(東京都)、飛島建設(川崎市)と耐震技術に関する共同研究を実施。研究結果を提供する見返りに、両社の社員=いずれも贈賄罪で起訴=から計約780万円を受け取った。

 また25年以降、両社から研究費として計約1400万円を受け取りながら、大学側にこれを隠し、経費として1千万円余りを大学に支出させ、損害を与えたとしている。

 倉本被告は他の共同研究でも鋼線メーカーのJFEテクノワイヤ(千葉市)や中堅ゼネコンの名工建設(名古屋市)から賄賂を受領したとして追起訴されている。

 ■「エリート」面影なく

 「事実に間違いございません」。建築耐震工学の権威として知られたかつてのエリート教授は、弱々しい口調で自らの汚職を認めた。黒のスーツに白のシャツ、柄の入ったネクタイといういで立ち。検察側の冒頭陳述の間、口を一文字に結び、目を閉じたり深呼吸したりして、終始落ち着かない様子を見せた。

 倉本洋被告は昭和61年3月に大阪工業大工学研究科を修了。中堅ゼネコンの研究員として下積みも経験し、平成4年7月に東京大工学研究科で博士号(工学)を取得、20年4月から現職の教授に就いた。研究成果や論文が学会などで高い評価を受け、耐震工学の第一人者と評されていた。

 検察側は冒頭陳述で、倉本被告がこうした地位の優越性を利用し、私腹を肥やしていった経緯を指摘。同分野の権威からの“お墨付き”を得たい企業から、繰り返し賄賂を受け取っていた構図を明らかにした。

 倉本被告は企業側の担当者に対し、妻が代表で自らも役員を務める研究所の口座に現金を振り込むよう指示。大学の法人口座を使うと経費が差し引かれ、「私が使える金額が少なくなるから」と、その理由を伝えていた。企業側への請求書には実体のないデータ入力・解析などの名目を記載していたという。

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