日大ついに民事提訴へ “ドン”田中理事長が追い出される日
日刊ゲンダイDIGITAL 2019/5/10(金) 9:26配信
「事態は深刻化している」――。日大の運営に異を唱える改革派有志の会見が注目を集めている。
日大教職員らOBでつくる「新しい日本大学をつくる会」(会長・牧野富夫元日大副総長)が7日に開いたもの。牧野氏は昨年のアメフト部悪質タックル問題などの影響で2018年度の私学助成金が前年比35%減らされ、入試の志願者が大幅に減少したことなどに触れ、「理事長は説明責任を果たしていない」と田中英寿理事長を批判。大学のイメージが傷つけられ、精神的な苦痛を受けたとして田中氏ら大学執行部に慰謝料を求める民事裁判を起こす方針を発表し、執行部の総辞任を求めた。
田中氏は日大のトップに君臨する最高実力者だが、アメフト問題では会見もせず、沈黙を守ってきた。反社会勢力とつながりがあるのではないかともマスコミに追及されたが、その権勢は微動だにしない。
「つくる会」の役員があらためて語る。
「助成金減額だけでなく、日大の信用が傷つきました。われわれは田中氏らの辞任を求め、反社会勢力と関係がないのかとの質問をしてきましたが、返ってくるのは木で鼻をくくった回答ばかりです。田中氏のもと、日大はプロ野球のスタンドなどに多くの広告を出しているが、果たして必要なのか。日大が生まれ変わるには32人いる執行部全員が辞任し、現在の経営優先から教育優先に切り替えることが不可欠。今のままでは学生が就職で不利になってしまう。本当に気の毒です」
牧野氏は先月、田中氏に「説明責任を果たした方がいい」と伝えたが、田中氏は「俺は悪いことはやっていない。みんなの前で謝る必要はない」と潔白を主張したという。
「田中氏は何が何でも理事長の座にしがみつくつもりです」とは日大問題に詳しいジャーナリストの伊藤博敏氏だ。
「もし辞任したら、背任を指摘されるかもしれないと心配しているのでしょう。だから執行部を味方で固め、逆らう人には報復人事。東京勤務の人が地方の施設の用具係に飛ばされるような恐怖支配です。会見しないのは記者の鋭い質問に臨機応変に対応できないからでしょう。『つくる会』が執行部全員の辞任を求めたのは好判断。そっくり入れ替えないかぎり、田中帝国はびくともしませんからね」
日大のOBとマスコミ、一般の世論がどこまで関心を寄せるか――。