いじめアンケートに無断で実名…面談中の教員が居眠り 父親が語る“ずさんな対応”
MBSニュース 2019/10/3(木) 17:16配信
去年、大阪府吹田市の小学校で、当時小学6年の児童がいじめを受けた上に学校側が保護者に無断で児童の実名を挙げるなど不適切なアンケートを行っていたことが明らかになっています。児童の父親が取材に応じました。
「何があったのか正直に話してほしいと考えています。それが一番の望みです。」(息子がいじめにあったAさん)
吹田市に住むAさん。去年6月、当時小学6年だったAさんの息子は通っていた小学校で同じクラスの児童5人から仲間外れなどのいじめにあいました。Aさんの息子は当時の担任に相談し、担任は児童5人のうち2人に注意しましたが、こうした経緯を学校側やいじめを行った児童の親だけでなく、Aさんとも共有していなかったといいます。そのため、Aさんは当初、いじめを把握できていませんでした。Aさんの息子はその後、去年10月から、約4か月間ほとんど登校できなくなり、卒業式も出ることなく小学校生活を終えました。
「(息子が)いじめの被害にあって、すごく警戒心が強くなった。ずっとそのことを抱えながら痛み、辛さをずっと持っていますし、これからずっと背負っていかないといけないんだろうなと。」(息子がいじめにあったAさん)
ところが問題はこれだけではありませんでした。Aさんの息子が休み始めたとき、学校側は無断で息子の実名を挙げたうえでクラスでアンケートを行っていたのです。しかも…
【学校側のアンケートから抜粋】
「受験のために休んでいるのだと誰かから聞きましたか?」
「さぼりだといった言葉を聞きましたか?」
これではAさんの息子が「受験で学校をさぼっている」と、児童に誤った情報を伝えているようなものです。Aさんはこれまで学校や市に経緯の説明を求め続けてきましたが、納得のいく説明が得られなかったばかりか、面談に同席していた教員が居眠りしたこともあったといいます。
「いじめの被害にあったことだけではなくて、その後アンケート調査であるとか二次的な被害にあったと思いますし、その後さらに責任回避をされる、そういったことで三次的な被害にあっているんじゃないか。」(息子がいじめにあったAさん)
Aさんは9月、「学習権を奪われた上プライバシーを漏らされた」などとして、吹田市に損害賠償請求を行いました。MBSは市の教育委員会に取材を申し込みましたが…
【吹田市教育委員会のコメント】
「損害賠償請求が出されていることから今後裁判に発展する可能性のある事案なので、コメントは差し控えさせていただきます。」
今回のいじめについて、市教委は10月にも第三者委員会を設置する予定です。
「何があったのかを明らかにして、そしておかしいことは、やはりおかしいことだった、良くないことだったと認めてほしいと思っています。」(息子がいじめにあったAさん)