「男の先生が…」 小学校「肌着禁止」問題で蘇る20代女性のトラウマ
NEWSポストセブン 2021/4/12(月) 16:05配信
今年に入ってから、一部小学校で体操服の下の「肌着禁止」というルールが存在していることが明らかになり、保護者を中心に多くの批判の声が寄せられた。話題の発端となったのは神奈川県川崎市の小学校だが、その後、他の地域でも「肌着禁止」の小学校が複数存在することが明るみに出始めた。なかには、今回の報道をきっかけに我が子が肌着を脱がされていた事実を知った保護者もいるという。
だが、今回のニュースに怒りや不安を感じているのは保護者だけではない。一部の女性のなかには、この報道をきっかけに小学校時代の記憶がトラウマのように蘇るという人もいる。
2000年代に東京23区内の小学校に通っていたという女性・Aさん(20代)は、小学生時代の体育の授業を思い出したという。
「5年生の頃、クラスに体格が大きく胸の発育も他の女子生徒に比べて早かったクラスメイトがいました。彼女は、当て布付きの肌着やスポーツブラジャーを付けずに体育をしており、胸が透けたまま運動したり、走ったりしていました。
それがきっかけで、彼女はクラスで悪口を言われるようになって、コソコソと笑われていたことを思い出します。多くの女子生徒は当て布付きの下着や、スポーツブラジャーをしていたと思いますが、下着を着ないことによるいじめが起こっていたことは、20年以上経っても強烈に覚えています。
私の小学校で『肌着を脱げ』と言われた記憶はないですが、それでも保護者や女性の担任が、子どもの発育に最大限意識を向けるべきだと思う。学校側がブラックなルールを課すのは言語道断ですが、それ以前に、保護者の配慮や呼びかけがなによりも大事だと思います」(Aさん)
被害者となり得るのは男子児童も同じ
同じく2000年代に小学生だった女性・Bさん(20代)は、このニュースをきっかけに、体育の授業のトラウマが蘇ったと語る。
「このニュースを見て思い出したのが、小学校5年生、6年生のときに担任だった男性教員が、男女で教室を分けて着替えをする際、ギリギリまで女子がいる教室の扉の前をうろうろしたり、ときには教室の扉を開けて『女子、早くしろー!』と声をかけてきたりしたことです。
この教員は、放課後に教室で『ミニモニ。』の映像を流して、クラスの女子に『加護(亜依)ちゃんってカワイイだろ?』などと言ってきたこともある。その当時は小学生でしたから、自分のゾワゾワとした感情が何なのか分からなかったのですが、今なら分かります。子どもながらに、『男の先生』が女子生徒に向けるべきではない視線を向けていたことへの恐怖感でした。
最近では教員のわいせつ事犯がよく報じられますよね。今でも、小学校時代の体育のことや、男性教員の振る舞いなどを思い出すことがある。今の小学生にこういったトラウマが植え付けられないように、子どもの人権も尊重してほしいです」(Bさん)
こうした女性からの意見を受けて、市立大学でジェンダーなどの教鞭を取る女性・Cさん(30代)も警鐘を鳴らす。
「第二次性徴期の子どもに肌着禁止というルールは、衛生面でも問題があるだけでなく、性被害や身体的なトラウマの要因にもなりうる点で即刻停止すべきです。また学校によっては、体操服を持ち帰るのは週に1回まで、などと回数が決められている学校もあり、これも極めて不衛生かつ、“ブラック”です。
最近では、JC(女子中学生)だけでなく、JS(女子小学生)モデルやJS YouTuberも増えており、メイクやファッションに敏感で、到底小学生には見えない“大人っぽい”小学生も増えています。もちろん、被害者となり得るのは男子児童も同じです。女性教員から男児へのハラスメントも存在することを忘れてはいけません。
若年層が、顔出しでSNSや動画投稿をできる今、ネット犯罪に巻き込まれる可能性も高まっている。保護者は小学校の中ならば安全だと油断せず、常にどのような指導がなされているのか、家庭内では子どもとの対話を心掛け、モニタリングすべきですね」(Cさん)
今回、「肌着禁止」ルールが報じられたことで、これまで知られていなかった小学校教育の負の面が浮上した。デジタル教育の推進だけでなく、こうした不可視化されがちな旧来的な慣習や、その問題点についても、併せて議論していくべきだろう。