九州保健福祉大セクハラ訴訟 教授と学校法人に132万円支払い命令
毎日新聞 2021/10/13(水) 18:09配信
九州保健福祉大(宮崎県延岡市)の薬学部教授の男性からセクシュアルハラスメントを受けたとして、助手だった女性が、教授と大学を運営する学校法人・順正(じゅんせい)学園(岡山市)に530万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が13日、宮崎地裁延岡支部であった。大淵茂樹裁判長はセクハラと女性の精神的苦痛を認め、教授と順正学園に慰謝料など計132万円の支払いを命じた。
判決によると、女性は2016〜17年、研究室の指導教官だった教授に飲み会で太ももや腰を触られたり店の外でキスされたりした。原告は「指導教授としての優位性を背景に繰り返した」と主張。被告側は「原告の意思に反するものでない」などと反論していた。
判決は「原告は教授の機嫌を損なうと不利益な扱いを受け研究が続けられなくなると不安を感じ、毅然(きぜん)とした態度を取れなかった」などとして教授の不法行為と大学の使用者責任を認定。大学側の事後対応を問題とする訴えは退けた。
女性は17年8月に被害を申し立てたが、大学は同年12月、女性と、女性から相談を受けて大学に匿名告発した助教の女性に「雇用調整」名目で雇い止めを通告。男性教授は停職1カ月の懲戒処分を受けたが大学に残った。
大学は18年1月、この問題とは別に、博士号がないとして助教2人に雇い止めを通告。通告された4人は地位保全を申し立て、地裁延岡支部は雇い止め無効の仮処分決定を2度出しているが、大学側は応じていない。
女性は判決後、記者会見で「拒絶できない関係性があったからこそ生じたハラスメントを認めてもらえ良かった」と話した。
教授の代理人は「不当行為が認められたのは残念。今後のことは本人と話し合って決めたい」と話した。【一宮俊介】
九州保健福祉大学の元助教ら4人が、大学から不当な雇い止めを受けたと訴えている問題です。宮崎地裁延岡支部は地位保全の仮処分に対する大学側の異議申し立てを退け、雇い止めは無効とした仮処分命令を認めました。
九州保健福祉大学の元助教ら4人は、大学から不当な雇い止めを受けたとして、地位保全の仮処分などを求めていました。去年2月、宮崎地裁延岡支部は、雇い止めを無効と判断。
これに対し、大学側は、裁判所に、異議申し立てを行っていました。そして、今月17日、宮崎地裁延岡支部は、「仮処分命令の決定は正当である」として大学側の異議申し立てを退けました。
大学側は「主張が認められず残念。保全抗告を準備中」とコメントしています。
九州保健福祉大学(宮崎県延岡市)薬学部の元助教ら4人が雇い止めを受けた問題で、4人が大学を相手取り、地位保全や賃金支払いを求める訴訟を宮崎地裁延岡支部に起こした。代理人弁護士が17日、明らかにした。
訴状などによると、提訴したのは元助教の30〜40代の男女3人と元助手の30代女性。4人は2017年12月から18年1月にかけ、大学側から「経営難による人員整理」「18年4月からは薬学部では助手と助教にも博士号を求める」と通告され、同年4月以降の契約は更新されなかった。
元助教らは、大学復帰や雇い止め後の賃金支払いのほか、研究者としてのキャリア設計を狂わされるなど精神的苦痛を受けたとして損害賠償を求めている。
雇い止めをめぐり、4人は賃金支払いと地位保全の仮処分を申し立て、延岡支部は2月、雇い止めは労働契約法に反し無効とする仮処分決定を出した。大学側は異議を申し立て、4人の職場復帰に応じなかった。
元助手の女性は男性教授からセクハラ被害を受けており、これまでの争いの中で「雇い止めはセクハラを告発したことに対する報復」と主張。延岡支部は仮処分決定で「セクハラ被害を申し立てた助手を排除する意図で(雇い止めが)行われた可能性も否定できない」と指摘した。
九州保健福祉大(宮崎県延岡市)薬学部の元助教ら4人が大学から不当な「雇い止め」を受けたとして地位保全を求めたことに対し、宮崎地裁延岡支部が4人の雇い止めを無効とする仮処分決定をしたことがわかった。
仮処分を申し立てたのは30〜40代の元助教の男女3人と、30代女性の元助手。申立書によると、元助教3人は3年目と7年目、元助手は2年目の契約更新を控えていたが、2017年12月から18年1月にかけて大学側から4月以降は契約を更新しないと通告された。
延岡支部の決定は、教員の間では契約期間の上限は助教10年、助手6年と認識されていたと指摘。「契約更新を期待する合理的な理由が認められる」として、今回の雇い止めが労働契約法に反すると判断した。元助教3人には雇い止め以降の賃金仮払いも認めた。決定は今年2月22日付。
争いの中で、4人は「雇い止めは、薬学部の男性教授によるセクハラ被害を訴えたことに対する報復だった」と主張した。
元助手は大学院生だった16年9月〜17年2月、研究室の50代教授に強引にキスされるなどのセクハラ行為を数回受けた。元助手と、被害を知った元助教の女性はセクハラ被害を大学に告発。大学はセクハラがあったと認め、18年1月、教授を停職1カ月の懲戒処分にした。
延岡市・九州保健福祉大薬学部の大学院生の30代女性が、同大学の50代男性教授からキスをされるなどのセクハラを繰り返し受けたとして、教授と同大学を相手取り、計550万円の損害賠償を求める訴訟を宮崎地裁延岡支部に起こしたことが29日、分かった。被告側は請求棄却を求め、争う姿勢を示している。