被害者給付金の訴訟で原告勝訴 不支給裁定を取り消し 福岡地裁

内縁の夫を殺害された福岡県内女性(59)が、親族間の事件だったことを理由に犯罪被害者給付金を支給されなかったのは不当だと訴えた裁判の判決が26日、福岡地裁であった。林史高裁判長は「被害者と加害者の親族関係は事実上破綻(はたん)していた」と認め、不支給とした県公安委員会の裁定を取り消した。 判決によると、女性の内縁の夫は2019年3月、県内の父親方で、父親に胸を包丁で刺され死亡した。この父親は20年、殺人罪などで懲役15年6カ月の刑が確定し、受刑中に死亡。女性は19年、給付金の支給を申請したが、県公安委は20年、犯罪被害者支援法などの規定に照らし、被害者と加害者の関係が「直系血族」に当たるとして不支給と裁定。国家公安委員会も21年、裁定の取り消しを求めた女性の審査請求を棄却した。 これに対し地裁は、父親が内縁の夫と口論して逮捕を望んだり、互いに転居して関係を断とうとしたりしたことなどを重視。親族関係が事実上破綻していたとして、給付金を不支給とした裁定は不相当だと判断した。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする