ことし2月青森市の男性の自宅に無断で侵入した罪に問われている元県教育委員会西北教育事務所長の男は初公判で「被害者の妻が元部下でふだんの暮らしが知りたかった」と動機を明らかにしました。 裁判は即日結審し、検察は懲役1年を求刑しました。 元県教育委員会の西北教育事務所長で青森市桂木1丁目の加藤寛隆被告56歳は、ことし2月14日から15日の午前1時まえの間に青森市内に住む45歳の地方公務員の男性の自宅に不正に作成した合鍵を使って無断で入った住居侵入の罪に問われています。 きょうの初公判で加藤被告は起訴内容について間違いないかと問われると「はい」と答え、起訴内容を認めました。 冒頭陳述で検察側は被害者の妻が加藤被告の元部下で、2022年に職場の机に置いてあった自宅の鍵の番号を控えてインターネットで合鍵を作成し、複数回にわたって侵入したと指摘しました。 また今回の逮捕容疑となった2月14日の詳細も明らかになりました。 加藤被告は職場の五所川原市内であった飲み会の帰りに電車で青森市内へ向かい、帰宅途中被害者の自宅に車がないことから自宅に誰もいないと考え玄関から合鍵で侵入しました。 その後車のバックライトが見えたためキッチンの納戸に隠れましたが、部下の夫に見つかり靴を持ったまま逃走しました。 その際「すみません間違えました」と言っていたということです。 また被害者の自宅から加藤被告の自宅までは、ところどころ途切れてはいるものの足跡が続いていたということです。 その後の被告人質問で加藤被告は、元部下の女性に好意を持っていたとした上で「職場では知れないふだんの暮らしぶりが知りたかった」「日記や下着を見た」と犯行の動機や詳細を明らかにしました。 裁判は即日結審し、検察側は不正に作成した合鍵を使った犯行は「こうかつで悪質」「県職員の信頼も損なわれた」として懲役1年を求刑しました。 判決は来月8日に言い渡されます。