支局長からの手紙:セクハラの土壌 /宮崎

支局長からの手紙:セクハラの土壌 /宮崎
毎日新聞 2012年1月16日(月)13時3分配信

 宮崎公立大で続くセクハラ問題に、あきれている。学生ら3人にセクハラ行為をしたとして事務職員が解雇され、学長が引責辞任し、になった。
 大学によると、職員は面識のあった未成年の女子学生のアパートに、飲酒した状態で押しかけた。他の女子学生や職員にも執拗(しつよう)にメールを送ったという。
 公立大の教職員のセクハラ発覚は、過去10年で4回目というから驚く。いったいなぜか。ある教職員は「そうした土壌がある」と説明する。
 今回は解雇だが、過去の教員3人は停職や降格処分だった。時間がたてば元のように教壇にも立てる。「これでは組織がなめられ、何をやってもいいと考える職員が出てきても仕方がない」
 一例がある。教員の個室のドアは一部が窓ガラスになっている。08年、2人目の問題が発覚した後、大学はそれまでのすりガラスを透明に替えた。ところが多くの教員は、紙を貼るなどして中が見えないようにしているという。
 「個室で問題が起こることもある。女子学生を相手にする場合、ドアを開放するのが常識と思うが」。ささいなことのようだが、「土壌」を表しているように思える。
 10年12月に3人目の問題が発覚した際、大学は全教職員に再発防止の研修を受けさせたという。だが、結局、4人目は出た。学長辞任の発表は、報道機関にファクスを送っただけで、学長自らのコメントさえなかった。体質を変えようという決意はあるのかと疑う。
 最大の被害者は学生たちだ。混乱の中、無事に単位が認定されるか心配する学生もいるという。保護者の不安も大きいだろう。来年、創立20周年を迎える大学の名誉にも関わる。「5回目」は許されない。信頼回復には本腰を入れた再発防止策を打ち出すほかない。<宮崎支局長・池田亨>

1月16日朝刊

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