<京大汚職>元教授の辻本被告を追起訴 捜査を終了

<京大汚職>元教授の辻本被告を追起訴 捜査を終了
毎日新聞 2012年9月11日(火)20時49分配信

 京都大学大学院薬学研究科の物品調達を巡る汚職事件で、東京地検特捜部は11日、元教授の辻本豪三被告(59)=収賄罪で起訴=を、新たに新幹線の回数券など約300万円分を賄賂として受け取った同罪で追起訴し、捜査を終えた。立件した賄賂額は計943万円。

 また特捜部は11日、東京都世田谷区の医療機器販売会社「メド城取(しろとり)」社長の木口啓司被告(62)=贈賄罪で起訴=を同罪で追起訴し、元営業部長(53)を起訴猶予とした。

 起訴状によると、辻本被告は07年11月〜11年9月、物品納入に関してメド社に便宜を図る見返りに、木口被告から13回にわたり新幹線回数券(約190万円相当)、10回にわたり旅行会社の商品券(約110万円相当)を受け取ったとしている。家族旅行などに使ったという。贈賄側については公訴時効(3年)を過ぎていない回数券と商品券(計約127万円相当)の分を起訴した。【島田信幸】

 ◇文科省、使途について調査を開始へ

 捜査終結を受け、文部科学省は辻本被告に支給した科学研究費(科研費)などの使途について、補助金適正化法に基づく目的外使用がなかったか調査に乗り出す。目的外使用が判明した場合、辻本被告に該当金額の返還を求める。金額が多く、本人に支払い能力がないと判断されれば、京大などに請求する可能性もあるという。

 辻本被告は、がんやアルツハイマー病の新治療法開発研究で、国から総額34億円の助成金(10年4月〜14年3月)を交付されているほか、これまでに数億円規模の科研費を受給。ある文科省幹部は「関係者からの聞き取りで、相当額の目的外使用があったことが推測される」と話す。

 特捜部に押収された資料が戻り次第、本格作業に取りかかるため、全容解明は数カ月以上かかる見込みという。【篠原成行】

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