23年度、和歌山市の小中学校 暴力行為大幅増415件
産経新聞 2012年9月14日(金)7時55分配信
■「特別対策チーム」発足へ 無視などいじめ陰湿化
和歌山市立小中学校で平成23年度に確認された暴力行為は前年度より100件以上多い415件にのぼることが13日、分かった。いじめは21〜23年度の3年間で計78件で、今年度はすでに23件にのぼっている。市教委は、すでに立ち上げたいじめ問題などに対応する「学校問題サポートチーム」とは別に、暴力行為などの問題に対応する「特別問題対策チーム」を発足させる方針を示した。
この日の市議会一般質問で市教委が明らかにした。
市教委によると、生徒間暴力や対教師への暴力、器物損壊などの暴力行為は21年度が351件、22年度が303件。両年度とも小学校は3件で、中学校が大半を占める。23年度は415件と急増し、内訳は小学校が15件で、中学校は前年度より100件増の400件。今年度は8月末現在で、小学校がゼロ、中学校は115件となっている。いずれの年度でも、生徒間の暴力が半数を占めるという。
一方、いじめは21年度が16件、22年度が40件、23年度が22件で、今年度はすでに8月末現在で小学校8件、中学校15件の計23件となっている。内容は、仲間はずれや冷やかし、からかい、暴力、持ち物隠し、言葉での脅し、無視などで、市教委によると、持ち物隠しや無視など年々、陰湿化の傾向がみられるという。
今年度の増加傾向について、市教委は「大津市で中学2年の男子生徒が自殺した問題を深刻に受け止め、小さないじめも見逃さない意識をもって把握に努めた結果」と説明。大江嘉幸教育長は「日頃からいじめを許さない学校づくりに努め、いじめの兆候をいち早く把握して迅速に対応するようにしたい」と述べた。
いじめ問題などへの対応についてはすでに専門家らによる「学校問題サポートチーム」を発足させており、市教委は今後、暴力行為の増加や授業妨害などに対応するため、警察や県子ども・女性・障害者相談センターなどで構成する「特別問題対策チーム」を設置するとしている。