知事と教育長に直接相談 いじめ問題で窓口設置 和歌山県

知事と教育長に直接相談 いじめ問題で窓口設置 和歌山県
紀伊民報 2012年9月21日(金)16時59分配信

 和歌山県はいじめ問題の実態把握を図るため、仁坂吉伸知事と西下博通教育長に電子メールなどで直接意見できる相談環境を整える。既存の窓口を活用するほか、教育長宛ての新たな窓口を設ける。21日の県議会本会議で仁坂知事が明らかにした。仁坂知事は「学校や親に相談できない事例や相談しても学校の対応に満足できない事例がある。できるだけ窓口はあった方がいい」と話している。

 県議会の一般質問で前芝雅嗣議員(自民)が質問した。

 知事への相談は、県政に対する提案やアイデアを電子メールなどで受け付ける「県政ポスト」を活用。西下教育長に対しては新たに電子メールのアドレスを設ける。知事に寄せられた相談は、教育委員会や学校などに連絡し、連携して解決を図るという。

 仁坂知事は本会議で「いじめ問題で苦しんでいる子どもに、私たち大人は真剣に向き合わなければならない。教育は最も大事な県の政策で、教育委員会だけの問題にするつもりはない」と答弁。いじめは実態把握が重要で、すでに実施している子どもへのアンケートのほか、各学校に対するヒアリングを徹底させる考えを示した。

 また、県教委はいじめに対する初期対応や具体的な対処方法を示す教員向けの「いじめ対応マニュアル」を新たに作成する。県教委学校指導課によると、対応マニュアルはこれまでに教員研修などで示しているいじめ対応を冊子にまとめる。子どもたちの変化の見極めなど初期対応などを盛り込む予定で、年内に完成させて、県内の小中高校や特別支援学校に配布する。

 西下教育長は「学校は子どもが生き生きと過ごせる場所であることが大切。相談を受け止める体制が必要。マニュアルはできるだけ早く完成させたい」と話している。

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