群馬・桐生の工事現場事故:中3労災死 足利の3校、中学生9人が在学中就労 事業所に校長あいさつも−−市教委調査 /栃木

群馬・桐生の工事現場事故:中3労災死 足利の3校、中学生9人が在学中就労 事業所に校長あいさつも−−市教委調査 /栃木
毎日新聞 2012年9月25日(火)10時54分配信

 群馬県桐生市の工事現場で先月、作業中の足利市立西中3年の男子生徒が死亡した事故で、足利市教委は24日、亡くなった生徒を含む計9人が03〜12年度にかけ、在学中に同県太田市の同一事業所で就労していたと発表した。中学校は市内の3校。いずれも学校側は生徒の就労後に気付き、学校側から事業所への就労斡旋(あっせん)の事実は確認できなかったという。
 03年度1人▽05年度3人▽06、08年度各1人▽11年度2人▽12年度1人。学校別では、西中が7人、協和、山辺中が各1人。就労のきっかけはほとんど不明で「事業所勤務の兄に連れられて」が1人だけだった。
 学校側は少なくとも3件については、保護者などの意向を踏まえて就労を容認。学校側による就労の斡旋や依頼は確認できなかったが、在学先の校長3人が就労を知った後、「生徒が世話になっている」などと事業所にあいさつに出向いていたことが分かった。
 調査は県教委の指示などを受け実施。退職者を含め、市内4校の教員31人から在籍中の状況を聞き取った。
 市教委は、県教委から派遣を受け「学校支援非常勤講師」2人を西中などに配置し、生徒支援などにあたる。また、今回の発表は「途中経過」とし、市議会が求める第三者調査委の設置も含め対応を検討する。【太田穣】
 ◇第三者委設置へ−−足利市議会
 足利市議会の9月定例会は最終日の24日、「不法就労による中学生死亡事故の実態を解明する第三者委員会」の設置を全会一致で決議した。
 決議では、市教委による調査は「事故の背景など調査内容は十分とはいえず、任意調査の限界」と指摘。教育専門家らでつくる委員会設置を求めた。
 また、今月末で任期満了となる岩田昭教育長(63)の後任予定者として、高木弘志・市政策推進部長(57)を教育委員に選任する人事案に賛成多数で同意した。【太田穣】

9月25日朝刊

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