創造学園大元副学長が辞表 長期無給、理事の対応批判
東京新聞 2012年10月12日
創造学園大(高崎市)の経営悪化問題で、二学部あるうちの創造芸術学部長を務める元副学長が十一日、九月に辞表を提出したことを明らかにした。文部科学省が同大などを運営する学校法人・堀越学園(同)に解散命令を検討する中、大半が一年以上無給で働いている教職員たちが、流出し始めた。 (菅原洋)
元副学長によると、上半期で担当する授業をほぼ終了し、学生への影響が少ないと判断して辞表を出したという。
もう一つのソーシャルワーク学部でも、最近になって必修科目を担当する教員が辞職。解散命令が検討されていることと併せ、学生に卒業や進級への懸念が拡大している。両学部で計約百七十人の学生が学び、専任教員は計約三十人とみられる。
元副学長は東京芸術大を卒業後、文科省の中央教育審議会専門委員などを歴任し、二〇〇五年から副学長。創造学園大前身の短大時代から二十年以上教壇に立ち続けた看板教授だったが、法人は三月、副学長職を解任。教職員への無給を続ける法人の理事たちに対し、元副学長が抗議活動の先頭に立ったため、解任につながったとみられる。
元副学長は「学生たちを思うと、心残りで悲しい。教職員のために(給与支給や学内改革を)要望してきたが、理事たちは何も対応してくれなかった」と嘆く。
さらに「(交通費も出ず)無給で自宅の東京から通い続けるのは、もう限界だ。他の教員も自家用車を売るなど切り詰めており、生存権の問題になっている。解散が検討されているが、解散の期日まで授業を続けられないのではないか」と苦しい胸の内を明かした。