堀越学園・解散命令へ:学校運営どうなる

堀越学園・解散命令へ:学校運営どうなる(その1) 「教育者の責任、自覚を」 /群馬
毎日新聞 2012年10月26日(金)12時4分配信

 学校法人堀越学園(高崎市、大島孝夫理事長)に対して、大学設置・学校法人審議会が25日、解散命令を出すよう文部科学相に答申した。答申では解散時期は「3月末まで」としたものの、その間の学校運営について具体的な方策は示されなかった。経営悪化が明らかになってから3年半以上たつが、説明会は一度も開かれておらず、学生や保護者からは「最後ぐらい、教育者としての責任を自覚してほしい」と、今後への不安と経営陣への注文の声が相次いだ。【塩田彩、田ノ上達也、奥山はるな】
 答申を出した大学設置・学校法人審議会は、「高い公共性が求められている学校法人としてあるまじき姿。堀越学園の責任は厳しく問わざるを得ない」と指摘した。文部科学省は在学生と保護者に向けたメッセージを発表。「転学等の必要な手続きや支援は、基本的には学校法人が責任をもって対応する事柄だが、異例の事態なので、文科省として最大限の支援を行う考え」としながらも、具体的な支援策については「ホームページ等で、今後順次お知らせする」とした。
 解散命令の答申について、学生や保護者で組織する「(堀越学園)あしたの会」は「厳しい処分もやむを得ない。学生、園児たちの卒業・園、転学・園をスムーズに行うことは、教育に携わる方々の責務」として、文科省や県に最大限の支援を求めた。
 一方、大島理事長は「学園として真摯(しんし)に受け止め、指示を順守する。教職員、在学生、園児と保護者に陳謝します」と語った。また、堀越哲二元理事長側は事務局長名で「内容を把握していないので、見解はない」とのコメントを出した。
 解散命令が現実のものとなり、創造学園大4年生の男子学生(21)は「ここまでやってきたのだから、なんとしても来年春に卒業させてもらいたい。後輩たちは転学がたいへんだが、支援をしっかりしてほしい」と話した。
 ◇教員給与また遅配
 堀越学園は25日が給与支給日だっが、創造学園大などの教員に支払いはなかった。同大教員の多くは昨年9月以降、給与遅配が続いており、これで連続14カ月となった。
 ◇文科省が支援策
 文部科学省は25日、創造学園大の学生が転学を希望する場合の支援策を公表した。
 すべての国公私立大に対し26日付で、受け入れの協力を求める通知を出すとともに、各種証明書の発行や教育課程の確認などに支障がある場合も、可能な限り柔軟に対するよう求める予定。
 転学する学生への経済的支援として、修学費用が増加した場合、審査の上で日本学生支援機構の緊急採用奨学金(無利子)、応急採用同(有利子)を貸与する。
 専門学校、幼稚園については県の取り組みを支援する。また、転学支援ホットラインを開設する。大学(03・6734・3373=文科省)、専門学校・幼稚園(027・226・2143=県)。【増田勝彦】
 ◇転学、転園を支援−−知事がコメント
 大沢正明知事は、「法人の管理運営上の問題が改善されず、このような状況を招いたのは極めて残念。法人は答申の内容を受け止め、残された期間の教育をしっかりと行い、責任を持って対応してもらいたい。県としては、生徒・園児の就学機会が確保されるよう、転学・転園を支援したい」とのコメントを発表した。
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 ■視点
 ◇第三者評価、実効力なし
 高崎市で創造学園大などを運営する学校法人堀越学園が来年3月に解散する見通しとなった。度重なる教職員への給与遅配、経営や人事を巡って起こされる訴訟。問題が表面化した3年半以上の時間、ガバナンス(統治)不全の学校法人と、学園の自治のはざまで行政など関係者は頭を悩ませた。
 「これまで300校以上の評価を行ってきたが、『不認定』は、創造学園大が唯一」。私立大学などの第三者評価を行う財団法人・日本高等教育評価機構は、そう説明した。
 第三者による評価は、02年の中央教育審議会の答申で示された。大学の設置認可を緩和する一方、7年に1度の第三者による評価を義務付け、「大学の質」の確保を目指した。だが、事後のチェックがきちんと機能するかは、当時から疑問視されていた。
 実際に、創造学園大は、評価の基準となる11項目のうち、教育研究組織、管理運営、財務など8項目で基準を満たさないとされた。「不認定」とされても、改善は、目標に過ぎず、行政処分の対象にもならない。同機構も「大学の判断材料の一つの基準に過ぎない」とする。
 「あれは、撤回したため、なかったことになっている」。県教委高校教育課が指す「あれ」とは、09年1月に同課長名で、県内の公立高校長宛てに配布した文書だ。教職員の給与遅配が表面化した創造学園大への進学について「慎重に対応するとともに、他校への進学についても検討するよう指導願います」と、呼びかけていた。
 その後も目まぐるしく変わる経営陣、経営を巡る対立など問題が次々と明らかになる。その果ての文部科学省の大学設置・学校法人審議会が答申した解散命令。県教委の憂慮は現実化した。
 当時の判断は、正しかったのか。同課は慎重に言葉を選びながら「結果論に過ぎない。やはり私学について行政があのように口を挟むのは望ましくない」と答えた。
 今年6月、文科省は「大学改革実行プラン」を公表した。同プランは「質保証の徹底」として、経営が極端に厳しい学校法人や法令違反など教学上問題がある大学に対し、学校法人の解散命令や組織廃止命令を出す方針を示している。【庄司哲也】
10月26日朝刊

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堀越学園・解散命令へ:学校運営どうなる(その2止) 混乱、治まる気配なし /群馬
毎日新聞 2012年10月26日(金)12時4分配信

 ◇二つの理事会並立
 堀越学園には二つの理事会があり、文部科学省は「組織としての意思決定ができない状態」との認識を示している。
 今年1月の理事会で堀越哲二元理事長は創造学園大学長・理事などを解任された。これを不服とした堀越氏らの仮処分申し立てに対し、前橋地裁高崎支部は5月、地位保全を認める決定を出し、大島孝夫理事長側と二つの理事会が並立することになった。東京高裁も9月に学園側の抗告を棄却した。
 同支部が地位保全を認める決定を出した5月21日朝、堀越氏側のグループが大学学長室に押しかけ、激しく対立。110番通報で急行した高崎署員が間に入って事態を収める事件が起きた。学園は「学生の安全確保」を理由に翌日から10日間、学校を一時閉鎖。その後の授業は再開している。
 「学生に直接影響する事態は看過できない」として、文科省は6月20日、学校法人の指導を担当する私学部参事官が自ら高崎市に出向き、学園の施設を視察するとともに、対立する両理事グループの対話を図ろうとしたが、大島理事長が姿を見せず果たせなかった。
 6月末には、運営する堀越幼稚園のパート職員が給与未払いを理由に一斉に出勤せず、送迎バスの運行や給食が一時止まる事態も起きた。
    ◇
 一方、堀越氏側は、地裁支部が地位保全決定で有効とした理事メンバーに招集手続きを取って堀越氏の後任理事長だった同大東京校校長の王豊氏を新たに理事長に選任し、前橋地方法務局に理事長変更の登記を申請。同法務局は7月、添付された理事会議事録が要件を満たしていると判断し、大島理事長に対し「対抗措置の仮処分申し立てをしなければ、登記を実行する」と通知。大島理事長側は前橋地裁高崎支部に、「王豊氏が理事長の地位にないことの確認を求める仮処分」を申し立てた。
 同支部には、堀越氏側が、大島理事長ら6人の職務執行停止、王豊理事長の地位保全を求める仮処分を申し立てており、大島氏側のものと合わせた3件が一括審理されている。また、堀越氏の学長・理事と他2人の理事の地位確認を求める本訴も審理が進められている。
    ◇
 堀越学園の経営トップが執務する部屋は高崎市吉井町岩崎にある中山キャンパスの創造学園大学長室。堀越氏の解任時に、大島氏側が開錠にパスワードが必要な電子ロックを増設した。仮処分決定後、堀越氏側はこの電子ロックのパスワードを変え、財務部のドアの鍵を交換するなど、大学施設は堀越氏側の管理下にある。当時堀越氏は取材に対し「変更したパスワードも連絡してあり、(大島氏側が)来ることを拒んでいない」と答えた。
 また、大島氏側が大学幹部を懲戒処分すると、堀越氏側が取り消しの通知を出したほか、双方が相反する幹部人事を発令するなど、「何が何だかわからない」と教職員はため息をつく。【増田勝彦】
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 ◇堀越学園をめぐる動き
2004年 4月 創造学園大学開学
  06年 4月 高崎医療技術福祉専門学校開校
  
      (以後不交付)
         
     
  
      
     
  
      2月 校地・校舎などの抵当権が整理回収機構へ譲渡される
      
      
     
  
      
         
      
         
      6月 文科省参事官が、緊急現地視察
      
10月26日朝刊

あととか。

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