<逗子ストーカー>居場所の特定方法などをサイトで質問
毎日新聞 11月12日(月)23時43分配信
神奈川県逗子市で元教員の小堤英統(こづつみ・ひでと)容疑者(40)が以前交際していたフリーデザイナーの三好梨絵(りえ)さん(33)を殺害し自殺したとみられる事件で、インターネットの質問サイト「Yahoo! 知恵袋」に直前までの約1年半、事件に向けた準備をうかがわせ予告するような質問が多数投稿されていた。県警逗子署は内容や時期から小堤容疑者が投稿したとみており、事件に至る経緯解明の糸口として押収したパソコンの分析を進めている。
投稿は、三好さんの名前の一部が入ったものなど少なくとも4種類のIDで計436件あった。うち削除されていない259件は昨年5月7日以降、事件の2日前の今月4日までに書き込まれた。事件に関係のない質問もあるが、小堤容疑者が脅迫容疑で逮捕された昨年6月1日から、執行猶予付き判決を受けた同9月20日までは投稿がなかった。
当初は人捜し方法を尋ねる質問が目立つ。昨年5月に「探偵業の方は、携帯などからターゲットの居場所を特定する際、どのような手段を活用しているのか」と投稿され、同10月には「お世話になった方を捜しています。引っ越した為(ため)、市町村名まで分かっているのですが、番地以下の住所が分かりません」と書き込まれた。
昨秋以降は、刑法など法律的な手続きに関する質問や事件を予告するような内容が増える。昨年10月には「どれくらいの状態を心神喪失または心神耗弱とするのですか」と質問。12月には「殺人事件を犯した犯人が逮捕される前に自殺してしまった場合、その後の事件の処理はどうなるのですか?」と投稿し、読んだ人が「容疑者死亡で不起訴になる」と回答した。一方で「付き合っていた恋人との別れが原因でうつ病が悪化し、自殺未遂をして入院となり、仕事も退職に追い込まれました」(同10月)との書き込みもあった。
今月4日には「包丁の切れが悪くて困っています。包丁ってホームセンターに行けば売っていますか?」との質問が掲載された。
小堤容疑者は今年3月下旬から三好さんに対し、「別の男と結婚するのは契約不履行。慰謝料を払え」などのメールを約20日間で1089通送信。三好さんは自宅で今月6日、背中や首などを多数回刺されて死亡し、近くに血の付いた包丁が落ちていた。【山下俊輔】