水戸短大付高の熱中症死亡:損賠訴訟 学校側、争う姿勢 地裁で第1回弁論 /茨城
毎日新聞 2012年12月1日(土)13時5分配信
水戸市千波町の水戸短大付属高(現・水戸啓明高)で09年、剣道部の夏合宿に参加していた1年、高井竜也さん(当時16歳)が熱中症で死亡したのは学校側の注意義務違反が原因だとして、両親が当時の剣道部顧問の男性教諭と同校を運営する学校法人「田中学園」(本部・水戸市)を相手取り、約9200万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が30日、水戸地裁で開かれた。学校側は答弁書で争う姿勢を示した。
訴状によると、高井さんは09年8月7日午後、同校の剣道場で相手に竹刀で打ち込む「掛かり稽古(けいこ)」を休憩もなく1人で10分ほど続けた後に倒れ、翌8日午前、多臓器不全のため死亡した。掛かり稽古は通常、1回15秒程度で交代で行うもので、高井さんは練習中に倒れるなど体調不良を訴えていたという。当時の水戸市内の最高気温は29・3度、湿度は80%以上だった。
学校側は出廷せず、答弁書で「掛かり稽古を10分も継続した事実はなく、練習内容に問題はない」とした。また顧問の男性教諭の対応についても「何かをすべき状況ではなかった」と注意義務違反はないとしている。
弁論終了後に記者会見した高井さんの母、優子さん(42)は学校側の対応に「頭にきている。言い訳ばかりの答弁書で、自分の気持ちを抑えるのに必死だった」と怒りをあらわにした。【岩嶋悟】
12月1日朝刊