中高の定期試験、無断でネット販売 塾が情報公開で入手
朝日新聞デジタル 2014年2月14日(金)9時19分配信
全国の公立中学・高校の期末テストなど定期テストの問題と解答が、インターネットサイトで販売されていることがわかった。名古屋市の学習塾経営者が、情報公開制度を使って入手した。請求は昨秋以降、大都市を中心に44自治体に対して行われ、約2500校が対象となった。こうして入手したテストの無断販売について専門家は著作権法違反の可能性を指摘している。
■計46万枚以上を開示
公開請求は、この塾の講師の個人名で昨年8月末〜今年1月、東京、大阪など9都道府県、さいたま、福岡、名古屋など12指定市と東京23区全区の計44自治体に対して行われた。自治体側は販売するという目的を知らされていなかった。
請求内容は全公立中・高の「2012年度3学期の定期テスト」や「12年度から13年度10月までの全ての定期テスト」などで、ほとんどに「国語を除く」とあった。開示された枚数は、判明した分だけで計46万枚以上に上る見込み。
この塾の代表(36)によると、過去の定期テストの問題をネットを通じて販売する事業を思い立ち、講師に命じて大都市の自治体に請求を開始した。だが、地元の学校で疑問の声が上がっていると知り、販売を断念したという。
その後、米国の友人が興味を示したためコピーを譲渡、その友人の販売サイトが昨年11月に稼働し、1科目につき、テスト1回分を問題、解答各200円で販売している、と説明する。代表は「公立学校の入試の過去問も売られているし、弁護士から違法ではないと聞いた。問題があるなら販売をやめさせる」と話す。国語の問題を除外したのは、小説などの著作物が含まれ、販売すると違法となる恐れがあると弁護士に助言を受けたからという。
高校入試問題集を出版している英俊社(大阪市)は問題を入手する際、教育委員会に用途を記した依頼書を送り、無償で返送してもらっているという。担当者は「無断で入手して出版することはない」と話す。