京都市などに2970万円賠償命令 養徳小プール事故で地裁判決

京都市などに2970万円賠償命令 養徳小プール事故で地裁判決
京都新聞 2014年3月11日(火)14時29分配信

 京都市左京区の養徳小のプールで2012年7月、1年の浅田羽菜(はな)さん=当時(6)=が溺れて死亡した事故で、学校のずさんな安全管理が事故を招いたとして、両親が市などに約8100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が11日、京都地裁であった。橋詰均裁判長は約2970万円の支払いを命じた。
 訴状によると、事故当時は通常授業よりも水深が約20センチ深く、最深部で約110センチだったが、3人の担当教諭に事前に伝わっていなかった。監視体制に定めがなく、プール学習に参加した69人全体を監視する教諭がおらず、各自がプールの中で特定の児童を指導するなどしていた。「安全管理の情報共有を怠り、危険防止措置をとることなく、監視義務に著しく違反した」と主張していた。
 市側は弁論で、情報共有や水深管理、監視の在り方について「重要な課題があった」とは認めた一方、「違法とまでは判断できない」とし、争う姿勢を示していた。
 事故は12年7月30日昼に発生。夏休み中のプール学習で、低学年の自由遊泳中に浅田さんが溺れ、翌31日夕に死亡した。市教育委員会による検証では死亡に至る経緯の特定には至らず、13年7月に設置された第三者調査委員会が事実関係の究明を進めている。

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