2年にわたるいじめで190万円取られ不登校に…弘前の中学生が生徒10人提訴
Web東奥 2014年3月25日(火)11時35分配信
弘前市内の市立中学2年の男子生徒(14)が、同じ学校の生徒10人から、2011年から13年までの間に計約190万円を取られ、適応障害で不登校になったとして、生徒とそれぞれの保護者に慰謝料など約4150万円の損害賠償を求める訴訟を青森地裁弘前支部に両親とともに起こした。提訴は7日付。弘前市教育委員会は24日、記者会見を行い、佐藤紘昭教育長が「重大ないじめがあった」として陳謝した。
訴状によると、原告生徒が小学6年から中学1年までの間、被告生徒の1人から繰り返し金銭を要求され計約170万円を脅し取られたとした。この生徒が「親の金を抜いていることを言うぞ、と言えば金をくれる」と周囲の生徒に広めたため、さらに9人の生徒が計約20万円を脅し取ったり、遊興費の肩代わりをさせたりしたと主張。原告生徒はストレスで適応障害を発症、不登校になったとした。
原告側の代理人弁護士によると、この9人の生徒は返金に応じた。原告側は市側に対し訴訟を起こすことも検討しているという。被告側の相談を受けている弁護士は「訴訟になったことは遺憾。恐喝はごく一部。事実誤認がある」と話した。
同校は13年3月13日、同校の生徒から金銭のやりとりがあるとの情報を受け、関係する生徒の聞き取り調査を実施。この結果、関与している生徒は約20人に上ることが分かった。原告代理人によると、このうち提訴しなかった生徒からは返金と謝罪があり、示談が成立したという。
市教委は同月27日に学校から報告を受けた。原告、被告、学校、市教委の4者がこれまで3回、解決に向け話し合いの場を設けたが解決に至らなかったという。生徒は13年4月から登校していない。
24日、中央公民館岩木館で会見を開いた佐藤教育長は「重大ないじめとして認識し解決に向け取り組んできた」とし、「いじめを受けた生徒とご家族に、市教委としてこれまで解決できなかったことに、心からおわび申し上げる」と述べた。
葛西憲之市長は取材に対し「いじめがあったとの報告があったことは極めて残念。教育委員会とともに、いじめが起こりにくい学校づくりに最善を尽くしたい」と話した。