(朝鮮日報日本語版) 8歳女児虐待死事件、学校側は見て見ぬふり
朝鮮日報日本語版 2014年4月8日(火)10時29分配信
慶尚北道漆谷郡で、8歳の女児が継母(35)の暴行により死亡した事件をめぐり、被害女児と姉の通う学校が、犯罪に近い虐待の事実を知りながら見て見ぬふりをしていた、と指摘する声が出ている。
被害女児の姉(12)の代理人を務める弁護士は「学校に父親から抗議の電話がかかってきた後、学校側は姉妹の状態について観察しなくなった」と主張した。これを裏付ける状況も次々と明らかになっている。
被害女児が入学してから1年半、学級担任だった女性教諭(36)は「Bさん(被害女児)がほかの学校に転校すると言ったとき、『転校させれば死ぬのではないか』と直感した」と話した。そのころ、被害女児の継母のヒステリー状態が極限に達し、被害女児の体はあざだらけになっていたという。そのため、女性教諭は転校先の学校の担任教諭に、被害女児が虐待を受けている疑いがあることを知らせ、姉妹に対する観察を続ける必要がある、と依頼した。
女性教諭の予感は的中した。転校してから1週間後の昨年6月12日、担任教諭は被害女児の体が傷だらけになっているのを見つけた。顔は腫れ上がり、目の下には擦り傷、胸にはかみ付いた痕があり、腕や足などには青いあざができていた。担任教諭は直ちに大邱市内の児童保護センターに連絡し、翌日に被害女児の傷の写真を撮った。同センターは家庭訪問を2回、電話での相談を8回行った。
ところが、それ以上の対処をすることはなかった。被害女児の姉の代理人は「父親が学校に電話で『子どもが恥ずかしがっている。子どもの服を脱がせないでほしい』と抗議してきた。その後、学校は被害女児の服を脱がせて傷やあざの確認をするのをやめた」と話した。やがて、被害女児は特に理由もなく学校を欠席するようになった。登校したときには、顔や腕にあざができているのがはっきり分かったが、学校は警察に届け出なかった。
韓国児童権利モニタリングセンターのイ・ホギュン元所長は「現行の児童福祉法では、学校は児童虐待の事実を知った場合、捜査機関や児童保護専門機関に届け出ればよい。今回のケースでは、保護機関に届け出たため、法的な義務は果たしたが、警察に届け出なかったという点は不十分だった」と指摘した。
結局、被害女児は転校してから約2カ月後に死亡した。だがその後も、学校は被害女児の姉に関心を向けなかった。姉が妹を殺害した疑いで警察の事情聴取を受けたとき、継母に不利な証言をしたとの理由で殴られ、あざだらけの状態で登校してきたが、それでも担任教諭は捜査機関に通報しなかった。姉の代理人は「そのときにでも学校が積極的な対処をしていたならば、姉は事件の顛末(てんまつ)をありのまま話すことができただろう。学校のあいまいな態度が問題を大きくした」と指摘した。