(朝鮮日報日本語版) 旅客船事故:「国家情報院が遺体隠し」とでたらめ授業

(朝鮮日報日本語版) 旅客船事故:「国家情報院が遺体隠し」とでたらめ授業
朝鮮日報日本語版 2014年5月13日(火)10時48分配信

 高校3年の授業で「政府がセウォル号事故関連の報道を操作している」「遺体を収容しながら故意に隠している」などと教師が発言し、問題になっている。

 教育現場での政治的偏向授業を監視する市民団体「扇動・変更授業申告センター」によると、京畿道城南市のA高校に通う生徒はこのほど、同校のB教師の授業内容を録音して通報した。

 生徒によると、教師の発言は「MBCは朴槿恵(パク・クンヘ)が筆頭株主なので、セウォル号についてメディアを操作している」「国家情報院は遺体を既に全て発見しているにもかかわらず、後から見つかったようにうそをついている」「米海軍がセウォル号のそばにいたのに、韓国政府の指示で救助ができなかった」など事実無根の内容だ。生徒は「SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で飛び交う宣伝を真に受けて話している」という理由で教師を告発した。

 生徒が提出した録音ファイルは、セウォル号の事故発生後の4月18日、22日に収録されたものだ。それによると、B教師は「船が沈没しつつあり、全てのマスコミがそれを報じる間、汝矣島(国会)では(与党の)セヌリ党が法案を可決させた。可決すれば(米国に)9600億ウォン(約954億円)を支払わなければならない」と発言していた。B教師の発言は、セウォル号事故の2日前に当たる16日、国会本会議で与野党が批准した韓米防衛費分担特別協定(SMA)を指すものとみられる。

 別のファイルには、B教師と生徒のやりとりが収録されている。ある生徒が「米国は韓国に何を提供してくれたのか」と尋ねたのに対し、B教師は「生存者ではなく、遺体を引き揚げろと潜水艦を送ってきたのではないか。実のところ、9500億(ウォン)もらったから、潜水艦にちょっと行って来いと指示し、2隻が来たわけだが、どうせすることがないから何もしないでいる」と答えた。

 B教師は「海洋警察に問題があると言えば、全ての問題の原因が海洋警察に集中するので、(海洋警察の過ちを)隠しているようだ」「本当におかしな国に暮らしていると思う。メディアもコントロールされている。大統領が放送局の株主でもいいのか。われわれには言論の自由がないではないか」などとも発言していた。

 こうした発言が続くので、ある生徒から「授業をしてください」という声も上がったが、B教師は意に介さなかった。

 申告センター関係者は「B教師は以前にも政府・与党について、未確認の話や過激な反米発言をしたという通報があった」と話した。通報した生徒は「教育者として、特定の政党を批判したり擁護したりしてはならないはずなのに、それでは物足りず、生徒にうそをついて扇動した。二度と授業をさせたくない」とセンター側に通報動機を説明したという。

 A高校関係者は「B教師がSNSで飛び交う話を授業時間にしたことは認めるが、『国家情報院が遺体を隠した』という発言はしていないと聞いている」とした上で、B教師を授業からひとまず外すことを決めたと説明した。B教師は臨時雇用で、教師労組には加入していないという。

 国家情報院はB教師について「生徒らの悲劇的な犠牲を国家情報院を陥れるのに悪用した」と批判し、問題の教師を刑事告訴する方針を明らかにした。警察庁は「事実関係を確認するため、調査に着手した」と説明した。

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