小1の口にテープ貼らせる 京都の小学校で担任教諭

小1の口にテープ貼らせる 京都の小学校で担任教諭
京都新聞 2014年6月5日 8時59分配信

 京都市山科区の小学校で1年の男児(6)の担任を務める女性教諭が、男児の口に粘着テープを貼らせていたことが4日、関係者への取材で分かった。男児は多動の傾向があるため保護者が公的機関に相談し、学校にも特別なケアを求めていたという。母親や祖母は「適切なケアを求めていたのに、逆に差別するような扱いを受けた」と抗議し、学校側が謝罪した。
 学校によると、クラスには男児以外にも特別なケアを必要とする児童が複数いたという。校長は「担任は静かにしてもらうためテープを持ち出したのだろうが、虐待ととられても仕方がない。児童と保護者には申し訳ない」と話している。
 学校の説明では、男児は今年4月に入学。担任がテープを貼らせたのは少なくとも4月中に2回あった。18日の心電図検査中、男児に落ち着きがなかったため担任は粘着テープの切れ端を「これが必要かな」と言いながら男児に示した。また、25日に授業中に言うことを聞かず大声を出している男児の机に担任がテープの切れ端を貼った。2回とも男児の口にテープが貼られたという。
 学校側は「担任の説明では、いずれも男児が自ら口にテープを貼った」とする一方、男児の祖母は「孫や友達は担任自身が口にテープを貼ったと言っている」と主張している。事実関係の把握で両者に食い違いはあるが、校長は「担任が粘着テープを示した段階で、実際に貼ったのと同じ。不適切な指導だった」と語る。
 校長によると、担任は「自分も小学校時代に同じような経験をした。それを思い出してやってしまった」と説明している、という。
 母親や学校によると、男児は入学前から多動や吃音(きつおん)の傾向があった。母親は入学時に学校に伝え、声掛け方法などを記した書類を提出、学校側は支援員をクラスに重点配置していた。校長は5月中旬に祖母らの指摘を受け、事案を把握したという。
 祖母は「確かに孫の指導は大変だったと思うが、こんな扱いを受けて悲しい。二度と同じ事案が起こらないように学校全体で考えてほしい」と訴えている。

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