東大病院、白血病臨床研究 ノ社以外の社員も関与

東大病院、白血病臨床研究 ノ社以外の社員も関与
産経新聞 2014年6月25日 7時55分配信

 全国の22医療機関が実施する白血病治療薬「タシグナ」の臨床研究に、治療薬を販売するノバルティスファーマの社員が関わっていた問題で、研究の中心となった東大病院は24日、同じ血液・腫瘍内科で行われた別の臨床研究でも、ノ社以外の製薬企業の社員の関与があったとする調査結果を発表した。論文発表などはされておらず、研究は5月に中止された。

 東大に製薬会社側が介入した臨床研究はノ社が関与した「タシグナ」の研究など5件をあわせ、計6件となった。いずれも血液・腫瘍内科の同じ男性教授が行う研究だったといい、今後処分を検討する。

 同病院によると、新たに問題が判明したのは、米国に本社を置く製薬企業「ブリストル・マイヤーズ」(東京)の白血病治療薬「スプリセル」の有効性と安全性を確認する臨床研究。平成23年に開始され、ブリストル社が研究計画をほぼ自社で作成していた。同社社員は研究の根幹に深く関わっていたが、データへの関与はなかった。

 同病院で行われた臨床研究について調べた調査チームが中止を勧告し、研究は中止された。同科には、ブリストル社から3年間に計400万円の奨学寄付金が支払われていた。東大病院の門脇孝院長は「臨床研究に対する倫理の教育、利益相反管理などの体制に問題があった」と謝罪し、今後関係者の処分を検討する。

 また、調査では、ノ社への流出が判明していた患者情報255人分に加え、さらに2研究で53人分が同社側に流出していたことが新たに判明。個人情報保護法違反などにあたる可能性があり、東大は患者に謝罪したという。

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