ノバ社元社員が「論文執筆依頼」…元教授供述
読売新聞 2014年7月1日 19時2分配信
高血圧治療薬「ディオバン」の臨床研究データ改ざん事件で、京都府立医大の研究の統括責任者だった松原弘明・元教授(57)が東京地検特捜部の事情聴取に対し、ノバルティスファーマ元社員・白橋伸雄容疑者(63)から論文執筆を持ちかけられ、改ざんされたデータを送られたと供述していることがわかった。
特捜部は1日午後、白橋容疑者と法人としてのノバ社を薬事法違反(誇大記述・広告)で起訴し、別の論文のデータ改ざんの疑いで白橋容疑者を再逮捕する見通し。
問題の論文は、ディオバンと別の高血圧治療薬「カルシウム拮抗(きっこう)薬」を一緒に服用すれば、「脳卒中などにより効果を発揮する」と結論づけたもの。「ディオバンは脳卒中や狭心症に効果がある」とした2009年の主論文から派生したサブ論文と位置づけられ、11年に海外専門誌に投稿されたが、白橋容疑者が改ざんした疑いのあるデータが使用されていた。
ノバ社は10年、ディオバンとカルシウム拮抗薬を合わせた新薬「エックスフォージ」を発売しており、読売新聞の取材に応じた松原元教授は、「(ノバ社に)新薬の販売促進の狙いもあり、(白橋容疑者が)広告に使うため論文執筆を提案してきたと思った」と答えた。
一方、データの改ざんについて、松原元教授は自らの関与は否定。「データ解析は白橋容疑者が1人で行ったが、まさか改ざんされるとは思わなかった。提出されたデータを医師がチェックすることはしなかった」と弁解した。
松原元教授は03年に京都府立医大教授に就任したが、データ改ざん問題発覚後の13年2月に自主退職している。
関係者によると、白橋容疑者は論文執筆を依頼したことは否定している。